日本女子ソフトボールリーグ2部第3節北九州大会観戦記
日本女子ソフトボールリーグ2部第3節北九州大会に、田中雄二先輩と行ってきました。
1泊2日、片道約600キロ弱、6時間の運転も事故もなく無事帰ってきました。
浦野先輩からのお呼び出し
田中雄二先輩の携帯に、NECの監督をされている浦野大先輩から連絡がありました。
「今年はいつ来るの?」
優しい質問調の言葉ですが、そこは厳しい上下関係の世界ですから、意味は
「早く来い!」
です。(笑)
今シーズン1部から2部に降格になってしまったNECのリーグの開催場所が、高知からは遠い場所が多くなってしまって、どこに行こうか?と話はしていました。
9月の後半の京都大会が一番近いかなって言っていたら、私の実年の全国大会と期間がダブってしまいました。場所は滋賀と京都ですから近いものですが、試合の日程と勝ち上がった場合には、お手伝いが出来ないことになりますので、急遽北九州にお邪魔することにしました。
昨年までの日本リーグ1部観戦記はこちらをご覧ください。
https://ipansyadan-nsab.com/archives/4689
https://ipansyadan-nsab.com/archives/4716
バッティングピッチャー
実は女子の2部リーグの試合を見るのは初めてのことでした。日本ウエルネス大学の監督をされている中田まりさんから情報は得ていましたが、自分の目で2部の試合の様子を見るのは初めての経験になりました。
朝4時前に起床して、田中雄二先輩を5時にお迎えに行き、高速に乗って一路北九州を目指しました。
この大会にはNECも参加しているんですが、日本ウエルネス大学も参加していて、この日直接対決することになっていました。
試合前の練習を一緒にやってくれると、バッティングピッチャーも両方出来ていいのになあと思っていました。
11時過ぎに会場に到着するとNECはまだ来ていなくて、この日第2試合、第3試合と連チャンの日本ウエルネス大学がすでにアップをしていました。中田さんに挨拶するために探していたらグランドの横で彼女を見つけました。
「投げましょうか?」
うまく時間もずれてくれましたので、早速バッティングピッチャーの準備です。人数も少ないということで、田中雄二先輩がキャッチャーです。これでケガをさせる心配もしなくてすみます(笑)
先週の練習でコントロールが悪かったので、とりあえず投げ方を昔のバッティングピッチャーの投げ方でと意識してみました。なんとかいけそうです。
相手も遠慮されているので、「一人5本で」ということになりましたが、選手の人数が少ないのとコントロールがまずまずだったので、あっという間に終ってしまいました。
物足りないので、「もっと打ちたい人はいない?」と聞くと1名積極的に手を上げた選手がいましたので、追加でサービスしてしまいました。
そして休憩していたところにやっとNECのバスがやってきて、ほぼ1年ぶりの懐かしい浦野大先輩と選手たちの顔が見えました。
挨拶して選手のアップを待ってから、いつものように浦野大先輩の後を受けてのバッティングピッチャーの開始です。
日本ウエルネス大学相手に一度投げて確認が出来ているので、落ち付いて投げることが出来ました。気持ち良く打ってもらうこと、そしてバッターにぶつけないこと、この2つしか頭にはありません(笑)
初めて見る2部リーグ
女子のソフトボールにはあまり縁がなく、1部はここ2年見させてもらいましたが、2部のリーグ戦を見るのは今回が初めてでした。
聞いていたようにこの2部は実力差の大きなチームが混在していて、1部昇格を目指して選手を集め、環境も財政的にも恵まれたチームと、そうでないチームが活動しているようです。
全体としては1部のチームに比べると、実力的にはかなり落ちると言っても過言ではないと思いました。
2部を全勝で勝ち上がっても、1部ではなかなか勝てずに2部に降格してくるチームが多いのは、この1部と2部との実力の格差が大きいことが原因でしょう。
東京オリンピックで金メダルを目指してメディアの注目も大きくなっていますが、意外に女子ソフトボールの強さを支えている人数は少ないのではないかとさえ思ってしまいました。
競技人口は多くても、強さを支える基盤はほんの一部の限られた環境でソフトボールをやっている選手たちだけでしかない。
そこを離れるといきなり実力がダウンしてしまうのが、現状の女子ソフトボールって感じてしまった今回の2部リーグ初お手伝いでした。
試合の様子(9月2日)
静甲さんと花王さんがタイブレーカーで戦っていました。これが初めての2部の試合の観戦になりました。
印象としては花王さんは勝てる試合を落としてしまったという感じでしょうか。ちょっとした判断ミスで大きな勝ち星を逃してしまいました。
続いて連チャンになった静甲さんと、中田まり監督率いる日本ウエルネス大学の対戦になりました。
NSABのアドバイザーにもなっていただいている中田まりさんさんが監督をされています。
https://ipansyadan-nsab.com/archives/4313
主に専門学校の生徒さんを中心としたチームですので、2年間で選手は入れ替わってしまいます。選手集めにも苦戦されているようですので、人数もギリギリですし、何年もかけて選手を育成してチームを強化出来る実業団のチームと戦うには、厳しい環境と言わなければいけませんね。
この日(9月2日)の初戦は2部リーグでも上位の成績を残していて、1部昇格を視野に入れている静甲さんでした。
試合前の両監督の様子と、試合開始前の挨拶の様子です。人数もこれだけ違います。
結果は0-2で負けてしまいましたが、これだけ戦力が違っていての2点差負けは大善戦だと言えると思います。実は前日も2試合戦っていた日本ウエルネス大学は、1-2,4-6と惜しい試合を戦っていました。
中田まり監督にお話を伺ったところ、勝てる試合だったと残念がられていました。
そしていよいよ日本ウエルネス大学対NECの試合が始まりました。両監督の写真がこちらになります。まさかこの二人の対戦を見ることになるとは思ってもみないことでした。一応NECの近くでの観戦となりましたが、どちらも頑張れ!って思って見ていました。
結果はNECが9-2で勝ちましたが、ヒットの内容は日本ウエルネス大学も負けていませんでしたし、去年まで2年間1部で戦ってきて、来年の1部昇格を目指しているNEC相手にこの点差なら十分な戦い方だったと思いました。
「ソフトボールで勝って、試合に負けた」でしょうか。
試合観戦(9月3日)
翌日の9月3日はNECも日本ウエルネス大学も1試合でした。ただ試合開始時間が同じ(13時開始)でしたので、両チームの練習時間もほぼ同じになってしまって、前日のように両チームのバッティングピッチャーをすることは難しいと思っていました。
会場に到着すると日本ウエルネス大学は既に到着していて、ストレッチをされていました。そこに今度高知に出来る女子チームの資料を持って、説明に伺いました。
https://ipansyadan-nsab.com/archives/5772
日本ウエルネス大学の選手の中に興味のある選手がいるということで説明するのと、中田まりさんのお知り合いにも声をかけていただけたらと思ってのことでした。昨日の試合の感想を含めてコメントを求められましたので、正直な感想を述べさせてもらいました。正直女子のことは分かりませんので、自分の経験から参考になりそうな事を分かりやすく喋ったつもりですけど、なにせ年齢が40も違う若者たちですので、果たして意味が分かったどうかと心配しています(笑)
そうしているうちにNECが到着しましたので、とりあえずNECの練習に参加していつものようにバッティングピッチャーをやって、時間が合えば日本ウエルネス大学に移動してバッティングピッチャーをやることにしました。
残念ながら時間も迫ってきて日本ウエルネス大学の方のバッティングピッチャーは出来ませんでしたが、中田まり監督からまた東京でお願いしますと言われていましましたので、時間を作って行かなければいけないなと思っています。
試合は日本ウエルネス大学対花王さん、NEC対北九州でした。まずはNECの試合から観戦していました。先制点、追加点と順調に試合を進めていましたので、途中抜けて日本ウエルネス大学の試合を見に行きました。
こちらは少ない選手で3日目でもあり、そしてこの大会5試合目の試合となって、なかなか厳しい試合になってしまっていました。疲れもあるんだと思います。
表裏2イニングほど見て、NECの試合に戻りました。
試合後高知に帰る挨拶をするために中田まり監督のところに行くと、とても落胆されていました。聞くとフライを落球して、それがタイムリーエラーになってしまったそうです。いくら彼女が元全日本選手で、どれだけセンスのある選手だったとしても、さすがに年齢には勝てないですね。
女性の年齢は言ってはいけないので言いませんが、私と2歳しか違いません。私などは普段実年(50歳代)とシニア(60歳以上)、そして壮年(40歳代)とプレーしている訳ですから、フライを落とすなんて当たり前なんです(笑)
それを責める人もいません。明日は我が身ですから。
自分がやらかしたミスを「情けない」「悔しい」と思っている中田まりさんは、まだまだやれると思いますが、3日間は厳しいですね。どうか東京に返って、しっかりケアをして下さい。
NECの試合に戻りましょう。ダメ押し点も入って、一方的な展開になり、このまま終わるかなと思いましたが、地元北九州も大勢の応援の力もあって最終回反撃に出ました。
応援団の力ってすごいですね。選手の勢いも増してきて、なかなかのパワーで攻めてきます。なんとか振り切って、NECは全勝を守り今大会を終了しました。お役に立てたかは別として、これでお手伝いに来たかいがあったというものです。
1部昇格を目指して
昨年1部リーグで最下位に沈み2部に降格してきたNECですが、ここまで全勝と来年の1部再昇格を期待出来る成績を収めています。しかしほぼ1年振りに戦い方を見させていただいた身としては、少々不安を感じてしまいました。
2部では戦えますし、勝てると思います。ただこのままでは来年1部に昇格したとしても、1部ではまた厳しい戦いになることは目に見えています。練習の合間に少し選手と話もさせていただきましたが、2部で勝って1部に上がることは大事だけれど、練習も試合も常に1部での戦い方をイメージしたものでないといけないのではないか。
このレベルは勝って当たり前っであって、1部の上位チームと対戦して対抗出来るような攻撃力や、投手力を含めたディフェンス力を強化していく必要がある。そうじゃないと2年間1部で戦った経験が生きて来ないのではないかとも言いました。
あの1部での負けの悔しさを忘れすに、日々の練習を頑張ってもらいたいと思います。
最後にNECの3投手の動画を撮ってみましたのでご覧下さい。来年新人投手の加入が予定されているとも聞きましたが、この3投手の成長が、1部での戦い方を左右すると言っても過言ではないでしょう。
飛ぶバットのこの環境下でも、やはりソフトボールにおけるピッチャーの占める役割は大きいと言わざるを得ません。そして何か特徴やバッターを抑える武器を持っていないと、勝てるピッチャーになることは出来ないでしょう。
長所を伸ばす、短所を矯正する、新たな変化球を身に付ける、フォームを変える、筋力アップする、ボールの握り方を変える、走り込むなどなど、やってみることはたくさんありますね。