【指導のプロが語る】ソフトボール指導法(バッティングの時の体の使い方):回答がありました。
この記事の目次
弘瀬拓生先生への質問に、回答を作成してくれました。見てみましょう。
【質問】バッティングの時の体の使い方を教えてください。
「弘瀬先生への質問なのですが、
お忙しいと思いますが、よろしくお願いします。
革ボールでプレーしています。」
次のようなことに注意してみて下さい。
右打者
1 下半身の使い方
2 上半身の使い方
3 そのポイント
4 意識すること
5 素振り
6 Tバッティングの練習方法
この6項目に絞って書いてみます。
私も右バッターとして練習を重ねてきましたので、はじめに一般的な考え方や、構え方を書いて、私の打席の立ち方や考え方等を書いてみようと思います。
文章で十分に真意が伝わるかどうかわかりませんが、がんばって書いてみますのでよろしくお願いします。
下半身の使い方
1 下半身の使い方
下半身は、まずスタンスから見ていきましょう。
スタンスの広さは、膝や腰がしっかり回るような広さがよいでしょう。
広すぎると、膝や腰を回すのに負担もかかりますし、時間もかかります。
一般的には、肩幅より少し広い程度で構えるといいようです。
最初から、バッティング時のスタンスで構える人もいますので、その人は少し広くなります。構えは踏み込むことを前提に、その手前の「構え」として考えてください。
スタンスの方向は、これも一般的にはバッターボックスに平行に打席に立ちます。
オープンスタンスで立つ人も、クローズドスタンスで立つ人もいますが、それぞれ目的や意味があってそうしているのですが、それぞれの長所と短所はあります。
私の場合は、平行スタンスです。
構えから、踏み込んで膝、腰を回して上半身を回す準備をします。
下半身でしっかり打撃の準備ができることが、上手に上半身を使うことに繋がりますので、スタンスの広さや方向は、大事なことだと思います。
人には個人差がありますので、自分が打席に立って「しっくり」くる感じのところが一番いいと思います。
身長や筋力にも個人差があり、スタンスの広さは感覚面を含めた様々な要素で決まってくると思います。
スタンスが決まったら、しっかりと踏み込むことが大事です。
下半身の勢いがバットの先に伝わることが大事なので、タイミングを取って勢いよく踏み込むことです。
これも一般的なことですが、ピッチャーの方向にしっかりと踏み込むようにすればいいと思います。私の場合は、少し3塁方向にステップが開くようにしています。
これには理由があって、インコースいっぱいに立っているため、インコースをさばくためには、少し開いたステップでなければ、さばききれないのです。
少しオープンといっても、つま先はしっかり投手の方向を向いています。
また、アウトコースを狙い打ちするときは、セカンド方向に向けて踏み込みます。
打者はいつも同じスタンスで、同じ踏み込みをしているのではなく、相手の投球によって変化させているのです。
上半身の使い方
2 上半身の使い方
上半身は、まずバットの位置が気になります。
肩より高く構える選手もいれば、肩より低い位置で構える選手もいます。
大事なことは、打撃姿勢になったとき(打つ手前)に、バットの位置が肩口にあるかどうかです。
そのために、リラックスして構え、踏み込みながら肩から耳の当たりの間にバットがあって、レベルスイングができるようになっていることが大事です。
インコースとアウトコースで打撃のポイントが違いますので、下半身と上半身のねじれを使いながらインコースは早めに回し、アウトコースは少し待って回します。
構えたときに左肩が開いていると、十分に体の回転力が使えず、バットが早く出てくることになり、いわゆる「泳いだ」状態になることがあります。
下半身・上半身・からだのねじれから、ボールをとらえる瞬間はリストが使えているかどうかです。
しっかりと手首でボールをはじき返すような動きが出来るようになければなりません。
左の脇が開くようだと高めのボールはアッパースイングになりますし、左の脇を絞りすぎると窮屈になります。
バットをしっかり返すことができるところを繰り返しスイングして身につけることが大事です。
私の場合は、グリップの位置は最初は右肩の下におき、打つ手前には引き上げて、肩のすぐ上にあります。
骨盤が右下がりなので、どうしても私のスイングはアッパースイングになりますので、少し左肩を押さえ込むように、意識して左脇が開かないように注意しています。
そのポイント
3 そのポイント
打席に入って、相手投手を見るときに、どこを見ているのかといえば、私の場合はボールの出所である「リリース」を見ています。
そこに目をつけて、相手の投球が始まった時点で打席内でのバッティングの動きを開始します。
少し早めに始動しないと、ウィンドミル投法の腕の回転は速いですので振り遅れてしまします。
動いて、踏み込んで、下半身・上半身が回り、やっとバットが出てくる感じです。
早めの始動は大事なことです。
出来るだけ上下動のないステップは理想のステップです。
体の回転力を十分に使いバットを引き出せると、力強いバッティングになると思います。
意識すること
4 意識すること
高めを見ないことは大事なことです。
顔が上がって、高めを見れば顔の高さでもストライクに見えてしまいます。
しっかりストライクゾーンに目を置くことが大事でしょう。
私の場合は、インコース低目を見るように心がけています。
先にも書きましたが、タイミングを取ることは大事なことです。
相手投手の動きと自分の動きが上手く一致すればタイミングが合い易いので、しっかりとタイミングを取ります。
打つときは息を吐きながら、ミートするよう心がけます。
素振り
5 素振り
素振りは、体の回転と手首の返るところを確認しながら行うとよいでしょう。
腕だけではなく、下半身の動きも連動しながら、インコースは体を回し、アウトコースは少し待って、体を回すイメージでスイングを作ります。
もちろん打つポイントも体との距離感をもって図っていきます。
ステップも多少は、開いたり踏み込んだりしながら、それぞれのコースに対応するスイングをイメージします。
手首の返るところがミートポイントになりますので、空気を切る音が「ブン」と出るところを意識して振れている位置を確認します。
高め、低めでバットが出しにくいところもあると思いますので、どういう姿勢であればバットが出しやすいのか、試してみることも大事でしょう。
素振りで、膝や、腰、上体、肘、手首の動きを柔軟にして、バットが出やすい状態を作り出していきたいものです。
Tバッティングの練習方法
6 Tバッティングの練習方法
Tバッティングは、いろんな打ち方があります。
ここですべてを文章でご紹介することは難しいですので、一部をご紹介します。
Tバッティングは、ボールをトスする人が立って投げたり、座って投げたり、横から投げたり、いろいろします。
しかし、私の場合は、ほとんど座って投げます。
それば、ソフトボールの投手が下手投げであり、低い位置からボールが飛んでくるので、座ったほうが、投球により近い感じになると考えているからです。
椅子に座り、打者の外側からインコースとアウトコースを投げ分けますが、直接投げる人のほうに打球が行かないように気をつける必要があります。坊球ネットなどを使うと安全確保ができると思います。
Tバッティングで最も注意すべき点は、バッターの斜め前からのトスを打つことが、バットの引き込み動作になってしまうことがあるということです。
つまり、やや外から来るボールを三塁線に打つ練習をすれば、正面から来たボールを打てば、ファウルを打つ練習をしていることになります。
いわゆる「引っ掛ける」打ち方の練習になる恐れがあるのです。
インサイドアウトで、投げてきた方向に打ち返すイメージが必要になってきます。
速いテンポでのトスや、高め・低め、アウトコース・インコースなど、相手投手の投げてくる投球をイメージすることはとても大事なことで、真ん中当たりで速いスイングをしてもそこに投げてもらえなければ、効果はなかなかでないと思います。
※一応、すべてというわけにはいきませんが、書いてみました。
文章ではなかなか意が伝わらないかもしれません。
言葉足らずのところは申し訳ありません、ご容赦ください。
なかなか、時間がかかることと、十分にご理解いただけるかどうか、少し課題があるように思いました。
直接、お会いして話すことができれば一番いいと思います。
また、画像などで、問題点を指摘できれば、もっと理解しやすいものになるのではないかと思いました。
取り急ぎ、ご返事いたします。
弘瀬 拓生
どうでしょう?私は予想外の展開に驚いています。私は弘瀬先生に一般的なソフトボールの指導諭を書いて欲しいとお願いしました。けれど弘瀬先生は一方的な指導諭よりも双方向的なやり方がいいんじゃないだろうかということで、広く質問を募りました。すると指導者ではなくてプレーヤーから「打ち方」についての質問をいただき、今回このような回答をしていただくことになった訳です。
すると実際にどう構えているのか、どう打っているのかも分からないのでなかなか指導しづらいという問題が出てきました。さらにこの文字ばかりの回答で言いたいことが伝わるだろうかという心配も弘瀬先生にはあるようです。
まだまだ1回目ですので手探り状態ですが、これは続けて行きながら例えば動画を送っていただいて、それにコメントをつけて送り返すというような方法の動画指導とか、実際に何名か集まっていただいて直接指導してもらえるセミナーのような機会をつくるとかも考えなければいけないかもしれません。
各部門のエキスパートに得意の技を披露してもらえるように交渉をしてはいますが、みなさんお忙しいので良いお返事をいただけていないこともあります。
始めたばかりのことですし身軽さが取り柄ですので、これからの展開を見守りながら臨機応変にニーズに合ったご提案をさせていただけたらと思います。
ご意見等がございましたら、
e-mail:softball.nsab@gmail.com
まで、どしどしメールを送って下さい。よろしくお願い致します。