2017オフィシャルルールブックと競技者必携が手に入りました。
ルール改定の流れ
2013年10月に4年に1度の国際ルールの改定が行われ、審議の結果81項目の改定が決定して、2014年1月1日から施行されています。
日本ソフトボール協会も、この国際ルールの改定に基づき競技規則の改定を行っています。
今年度の改定は
日本ソフトボール協会が、従来2月に各都道府県の審判委員長・記録委員長を集めて開催していた「審判員・記録員中央研修会」を、2年に1度の隔年開催に変更したことから、「審判員・記録員中央研修会」を開催しない年度については、その周知徹底が難しくなることから「大きな改定は行わない」ということです。
また、2017年は4年に1度の国際ルールの改定の年に当るため、大幅な国際ルールの改定の可能性があるため、国内ルールの改定はそれを見てからといい側面もあるようです。
これまで画期的なルールを作ってきたソフトボール界ですので、次はどんな新しいルールが出来るのかを楽しみにしたいと思います。
試合のスピードアップに向けた取り組み
国際ルールでは「試合のスピードアップ」を促すようなルール改定が数多く行われてきていて、日本ソフトボール協会でも「テンポラリーランナー」の採用や、「準備投球に関する規則」(初回と投手が交代したとき以外の準備投球が1分を超えたとき、または超えそうなときは、審判員は「残り1球」と制限することができる。あるいは攻守交代の際、捕手の準備が遅れ、またその間に代わりに準備投球を受けるものがいない状態で準備投球が行えず、1分間を超過しそうなときも、審判員は「残り1球」と制限することができる。)といったルールを採用しています。
「テンポラリーランナー」については周知され、よく使われていますね。足の遅いキャッチャーの場合、その前に俊足の選手を置いておくと得点のチャンスが大幅に増えるなどの効果もあって、上手くオーダーを作っているチームも見受けられます。ルール改定を上手に利用している例だと思います。
「準備投球に関する規則」は、今までその現場に出会ったことがありません。これを厳格に実施するには常にストップウォッチで計ってなくてはいけないのと、超えそうなときにも制限されることがあるという曖昧さが、実際制限されたときにもめそうな点でもあります。そして規則に書かれている「することができる」という言葉ですね。これが「制限しなければいけない」となっていれば完全実施なんでしょうけど、「することができる」は微妙な表現です。
選手の皆さんは「スピードアップ」を心がけ、この制限が使われないようにしましょう。
20秒ルール
日本女子ソフトボールリーグ1部で採用されている「20秒ルール」ですが、各会場の外野に専用の20秒計が設置されているのを見たことがあるでしょう。世界大会で実施されているこのやり方を日本国内でも徹底しようと採用されたと聞いています。これも「試合のスポイードアップ」への取り組みの一つです。
ただこの20秒計、20秒を超えそうになると消えるな?と思った方はいらっしゃいませんか。これまではどうも厳格には運用されていなかったようなのですが、今年はどうでしょう。今年日本女子ソフトボールリーグ1部の試合を見に行かれるときは、一度この「20秒計」にも注目してみても面白いかもしれませんよ(笑)
注意喚起のためのルール
現状ではノーペナルティーなのですが、注意喚起のためにルールに明記されているものが二つあります。
一つ目は、「打者は、投球間にサインの確認や素振りをするとき、打者席内に片足を置いておかなければならない。」です。バッターボックスから出てはいけないということですね。
二つ目は、「打者は、試合中いかなるときも、故意に打者席のラインを消してはならない」というルールです。
この二つは国際ルールではすでに定着しているもののようですが、この二つについて2017年度も現行通りノーペナルティーとして、今年の国際ルール改定で変更がなければ「2年以内に完全実施」を目指す方針のようです。
ペナルティーがないからといってやっていいというものではないので、「試合のスピードアップ」のために守って行きたいものですね。
国内トップチームの責任
男子も女子もソフトボール界のトップは日本リーグだと思います。そこでやられていることがスタンダードになり、子供たちの憧れになります。そして自分たちもやってみたいとなりますよね。
「試合のスピードアップ」が叫ばれている現状で、日本リーグを見ていると首をかしげたくなることがよくあります。試合と関係ないセレモニーが長い、試合中もパフォーマンス的な行動が多くて、そのせいで時間が長くなるように感じています。
男子ではホームランを打ったバッターを、ベンチの選手が全員で出て迎える(出てはいけないとルールには明記されています)場面をよく見かけます。
女子はボール回しの後や、バッターをアウトにした際に内野手がその都度ピッチャーサークルに集まってくるなどでしょうか。
「見せる要素」と「スピードアップ」の兼ね合いを、一度リーグの監督会議などでも話してみてはどうでしょうか。