以前西村信紀さんにパワーラインについて説明してもらいました。見ていない方はどうぞご覧ください。
そしてこの写真を見てください。
確かに西村信紀さんはたぐいまれな筋力の持ち主でしたが、ただその筋力だけであの素晴らしいボールを投げていたんじゃないことが、この写真から良く分かりますね。
西村信紀さんのフォームは速いので良く見えないんですが(笑)、後ろが大きいのが特徴でした。腕が後ろに大きく引かれて回るとも言えると思います。それは彼の強靭な背筋力によってもたらされたもので、なかなか真似の出来ることではないんですね。
この後ろに大きくきちんと引かれる(右肩と腕)ことで、上の写真にある位置に腕が引き下ろされることにもつながります。
ここで肩や腕が後ろに引かれることなく腕を引き下ろそうとすると、どうしても腕は外から中へ近道をすることになりますし、カラダから離れたところを通ることになってしまいます。
今更ですがあんな人並外れた筋力の持ち主が、こんなに理にかなった投げ方をしているので日本一のピッチャー、アジアのエースと呼ばれることになるんでしょうね。神様は不公平です!
筋力があるんだから投げ方くらいはグチャグチャで、筋力がなくなったらまともにボールは投げられないようにしておいてくれればいいんですよね(笑)
パワーラインを通らない
さて私の投げ方を見てみましょう。改善はしていますが、やはり力むと腕が外から内にという軌道を通る傾向がありますので、このカラダ(腕)の使い方が修正されない限りはパワーラインを通過しないので、なかなか思ったようなボールは投げられないと思っています。
フォームを切り取って見てみました。このボールを投げた時はこの日一番のボールが投げられた時でしたので、比較的腕がカラダの近くを通っていました。
ヒントはたくさんもらっているんです。ただ一つやろうとすると一つ忘れる(笑)この日は腕ばかりに意識が行ってしまって、右腰の引き付けが甘かったです。
「入口が変われば出口が変わる」何度も西村信紀さんの口から出た言葉です。腕がパワーラインを通るためには、腕を上げる位置を修正する必要があります。力んでしまって腕に力を入れてしまうと、どうしても腕は外に上がってしまいます。ここから変える必要がありますね。
言葉で説明するとこんな感じだと思います。
まずリリースまでは腕に力をいれないことが大前提になります。振り上げ動作は手がおでこの前を通過する→手が頭上に上がったら、腕を回すのではなくて肩を回して後ろに引く→肩甲骨を引き下ろすことによって腕が引き下ろされる(自然と脇が締まる)→体の回旋によって腕が前に引き出される→腕に力を入れてボールに力を伝える
書いているだけでこんな風に投げられたら、本当に西村信紀さんと戦えるんじゃないかとワクワクしますね。しかし世の中そんな甘いもんじゃありません(笑)私はこれが出来ないんです。出来ないので屁理屈ばかり並べているんです(笑)
まあこれに気が付くのと気が付かないのでは、チャレンジの質が大きく違ってくるはずですので、今年はこの一連の動きが出来るようにやっていこうと思っています。そして腕とボールがパワーラインを通過して、スピード、キレ、正しいスピンのボールが投げられるようになればいいなと思います。