2019年4月21日(日)は雨で延期になっていた実年春季大会でした。人数合わせに参加したみたいなものでしたので、試合の合間に弘瀬拓生先生が「投げるかえ?」とお誘いがあり、上手く出来ていない「ブラッシング」を教えてもらいました。
弘瀬流と西村流
私には幸せなことに二人の日本を代表する指導者がついています。弘瀬拓生先生と西村信紀さんです。投げ方、理論、投げ方を表現する言葉は違いますが、基本的にやろうとしている(要求している)ことは同じ事だと理解しています。「しっかりブラッシングして、ボールに強いスピンを加えて縦回転させる。」
私はそれをすることによって、より速いボールが投げられるようになりたいと思っています。このお二人のどちらのやり方も正しいやり方です。この投げ方でお二人とも素晴らしい実績(勝ってきた)を残してこられました。どちらの投げ方でも縦回転しますし、あとは自分にどちらが投げやすいのかとか、どちらが力が伝わりやすいとか、最終的にはバッターを抑えられるのかとかで選択していくしかありません。両方は出来ませんし、またどちらと同じも出来ません。自分流のベストを作り上げる作業の途中になります。
プレートの右端を踏む
投げ始めからの動画になります。この日はこの1週間で考えて、プレートの右端を踏んで、軸足(右足)をいつもより一塁側にインスッテプしています。左足の着地地点はプレートと踏んでいた軸足(右足)の延長線上(真っすぐということになります。)にして、カラダは少しバッターに対してクロスしている形にしてみようとやってみました。
これで上手くブラッシングが出来てリストがターンすると、右バッターの内角に真っすぐボールが行くはずです。(でした(笑))見ての通り、なかなかそうは簡単にはいかなかったんです。
さらにこの日は弘瀬先生の提案(ボールの回転が見やすい)で、久しぶりに革ボール(イエロー)で投げることになりました。やっぱりゴムボールよりは固いので、ボールを押しやすいですし指にかかる感覚も出やすいですね。スピン量も自然と多くなってきますし、スピードも上がっている気がします。これでその気になっていると、ゴムボールを投げたときに感覚が違うことに戸惑うことになります(笑)
弘瀬先生実演(ブラッシング)
あまりに出来ない私を見かねて、弘瀬先生じきじきのブラッシング解説と実演になりした。やはりこの年(62歳)になっても壮年、実年、シニアと複数のカテゴリーでちゃんとバッターを抑えられる人は、自分の形が確立されていますね。私のように投げるたびにボールの軌道と回転がバラバラなんてことがありません。ここまでこないとボールをコントロール良く投げるなんてことは出来ないし、試合で安心して見ていられないということになります。
さずがと言うほかありません。どうぞご覧ください。
飛ぶ意味は?
なぜ飛んで投げるのでしょうか?バッターに少しでも近いところから投げるため。これもピッチャーが有利になる一つの要素ですね。そして飛ぶことによる体重移動や反動をつけて飛ぶことによって(幅跳びや高跳びなどの助走みたいなもの)、飛ばないよりボールに勢いを与えることが出来るからではないでしょうか。
ところが人によっては飛ぶ動作が余計な動作になってしまっていたり、逆にスムーズな体の動きを邪魔してしまって、かえってボールの勢いがなくなったり、スピードが遅くなったりすることさえあります。
この日も結構投げていたらそんな感じになってしまって、弘瀬先生から「飛ばずに投げてみて。」という指示がありました。リリース時の加速をイメージするために、スタートからの腕の動きを遅くして、ボールを離す瞬間に最も腕が早く振れるようにしてみると、飛んで投げる時以上にボールが押せる。そして指にかかったボールがコントロール良くキャッチャーのミットに届くようになりました。そこですかさず弘瀬先生が「飛ばん方がええがじゃない。」と悪魔の囁きを始めます(笑)そうなんです、こうやって投げれば思ったコースにも投げられますし、ボールが手元で伸びて行きます(力んでないので)。さらにこの投げ方であれば1日何試合でも投げられそうな感覚があります。どこにもリスクがないんですね。
でもこれではこれまでやってきたことが無意味になってしまいます。「違うタイプのピッチャーを経験してみたい。」という私のわがままも実現できません(笑)なので、またちょっとずつ飛んで投げることになります。このことを知っている弘瀬先生も、「飛ぶな!」とは言いません。まあ言っても素直に聞くような男でないことは、長い付き合いでご存知なので、そんな無駄なことは言わないんですけどね。
結局ワンモーションか!
複雑な動き(ツースッテプのように上下運動と平行移動を組み合わせる)を、スムーズに連動させることは、この年のおじさんには難しいような気がしてきました。さらにその動きがボールを速くするどころか遅くしてしまうようでは、ツースッテプで投げる意味はなくなってしまいます。どうもこれまで投げてきた感覚では、ツースッテプの要素も取り入れたワンモーションの投げ方で、カラダと腕の動きを上手く連動させて、最大限のパワーとスピードをボールに伝える投げ方を模索していくのが正解のような気がします。
この写真にある腕の位置をもう少し後ろに引いて胸が張れるようになって、その力を使って腕を引き出してくる形が欲しいです。そうすれば格段にボールのスピードは上るはずです。しかしこの腕を少し後ろに引くことによって生じるカラダへの負担は相当なものだと考えられますので、勝手にカラダが楽な位置に腕を降ろして来ているのが私のようです。ここまで大きなケガもせずに投げて来られたのは、無理をしない投げ方だったからかもしれません。無理のきかなくなったカラダに無理をさせないと、私の野望は達成されないようです。
25日岡山に行って、西村さんの感想を聞いてきますね。また西村さんの見解も詳しくご紹介できると思います。お楽しみに!