西村信紀さんは「腕を回すというイメージはない。肩を回すというのはありますけど。」と言っています。
ウインドミルは「風車」です。腕を大きく回して、その遠心力を使って強くて速いボールを投げると思っていましたが、どうも違う投げ方が存在するようです。
押して切って手の平地面にグー
西村信紀さんが言う「速いボールを投げる時のリリースの形」です。これがなかなか出来ないのでいろいろやっている訳ですが、最近一つ気が付いたことがあります。「引っ張ってくるようなリリースでは速くならない。」と言われるのは理解出来ます。強くて速いリリースをするためには「強い接触動作=ブラッシング」が必要だということも分ります。けれどなかなかそれが出来ない。なぜなんだろう?????考え続けた結果、こうじゃないかと思ったことがあります。
私は腕を大きく回して投げることを教えられました。そしてそれをずっとやってきました。2年前から速いボールが投げたいとフォームを変え、西村信紀さんに教えを請いやってきましたが、元々染みついた腕を大きく回すということから離れることが出来ませんでした。また変えようとしたフォームも、その回す腕のタイミングに合わせた飛び方に落ち着いてしまっていました。腕は円運動をしている訳ですから、円運動の先、手首から先(指)の動きも同じ動きをする方がスムーズに動きます。それを無理にリリースの手前から方向を変えて、最後は下向きの動きにしようとする訳ですから、なかなか上手く行くわけがありませんね。
その動きはこんな動きになります。
真っ直ぐ振り下ろす
また西村信紀さんからは「前に飛ぶのではなくて、上に飛んで下向きに投げおろす感じで」というアドバイスももらっていました。しかしこれも上手く出来ませんでした。今考えると「腕を回そうとしている」ので上に飛ぶより前に飛んだ方が投げるには都合がいいと体が判断したんだと思えます。「入口が決まれば出口は決まる」という西村さんの言葉があります。私が西村さんに求めたのは「速いボールを投げるには?」でした。それなら「上体を起こして上に飛んで、そこから腕を下に投げ下ろすように速くふる。リリースではしっかりボールを押す。切る。最後は手の平地面にグー」これが一番速いボールを投げる投げ方だと教えてくれました。
そこで気がつきました。腕は回すより直線的に振り下ろした方が早いスイングが出来る。この軌道だと手首から先は自然と下を向く。こんな感じになります。
もうソフトボールではなくて野球の投げ方に近い腕の使い方になります。このまま投げるとイリガリーになってしまいますので、実際はトップから脇を締めて腕を引き下ろすように体に巻き付けてくるような動作になるはずです。投げ下ろすためにしっかり上に飛ぶ必要がありますし、そのための脚の使い方、前傾させた上体をしっかり起こす必要もあります。そのためには左手を上に上げることも求められるでしょう。
このような動き(入口)が出来れば、フォームもリリースの形(出口)も決まるはずです。逆にきちんとした出口に出て来られるとすれば、入口であるスタートであるプレートの蹴り方、上体の起こし方、左手の使い方が出来ているはずです。それがタイミング良く出来れば、それなりのスピードボールが投げられていることでしょう。イメージは出来上がりました(笑)
投げ方は千差万別
お断りしておきますが、私が言っているフォームが絶対ではありません。投げ方はたくさんありますし、どれが正解でどれが不正解ということもありません。バッターを抑えられるボールが投げられれば、その投げ方が正解なんです。これまでの日本のソフトボール界では西村信紀さんが、投げていたボール、実績全てにおいてナンバーワンでした。けれどあの投げ方は西村信紀さんにしか出来ません。これからは現日本代表の小山投手なのかもしれませんが、あの投げ方も小山投手にしか出来ない投げ方です。神様は不公平なんです(笑)しかし神様は全員に可能性は残してくれています。自分だけのフォーム、自分だけの球筋が投げられる体を与えてくれています。その中でどうやって投げればバッターに打たれないかを考え、練習すれば自分なりの完成形は作ることが出来るんです。
なかなか簡単にはいきません。バッターも必死で打とうと努力しています。それに負けないように練習するしかありません。頑張りましょう。しんどいですけど、本当はとても楽しい時間ですよ(笑)
西村信紀さんが実演してくれました
ブログをアップしたらすぐに西村信紀さんから連絡がありました。動画が見れませんよ!って。ちょうど出先だったので帰って確認したら、動画はありました。ただ短い動画を2本アップしただけだったので、西村さんは抜けていると感じたようです(笑)そしてありかたいことに「押して切る」という動作を動画に撮って送ってくれました。この動作は私には出来ない動作ですので、早速追加でアップすることを伝えました。すると「病室の病人ですよ(笑)」と返ってきましたが、拒否はされませんでしたのでアップさせてもらいました。ありがとうございます。西村さんが投げている動画を見ても速くてよく分からないですが、実はこんな動きをしているんです。参考にして下さい。