【1984年男子ソフトボール世界選手権】33年後の同総会
1984年にアメリカのミシガン州ミッドランドで開催された、男子ソフトボール世界選手権に出場した選手たちが集まって同窓会を開催したのが3年前の2014年になります。
「あれから30年たったので1回集まって同窓会しませんか?」
と声をかけてくれました。
「もう30年もたったのか!」
という思いもあって、ただ飲み会するだけじゃ面白くないのでソフトボールもやりましょうということになりました。今ならまだ動けるということかもしれませんね(笑)
東京の日本体育大学に集まってソフトボールをやって、場所を移動しての懇親会が開催されました。
その時は楽しかったんでしょうし、盛り上がります。そして
「また集まろう!」
「次はどこでやる?」
「今度は勝てる相手探そう(笑)」
となっていくのは目に見えています。
そして
「3年後は杉本さんが60歳になるので、還暦祝いを兼ねてやろう。」
となったようです。私はその場にいましたが、また集まろうという話しは聞いていましたが、杉本さんの還暦祝いを兼ねてという話しはきいていませんでした。後からそんな話しになったぞと聞かされて、それじゃやらない訳にはいかないと思っただけでした。
それからあっという間に時は過ぎ、3年後になりました。
「高知でやる?人集まらんよね・・・」
「真ん中のトヨタでやる?」「いつにする?」「どこに相手してもらう?」
などと準備が始まりました。
準備の中心はトヨタ側は田中誠一さん。高校の後輩であり、トヨタでも後輩で杉本さんが部屋長だったそうで、この人がやらない訳にはいきませんよね。
それ以外については私が担当することになりました。長野県伊那市で開催された一般男子(現全日本総合)で当時トヨタ自動車でプレーされていた杉本さんと出会ってから40年近くなりました。この間何かにつけてお世話になってきましたので、精一杯のことはやらせていただこうと思っていました。
準備は滞りなく終了
開催の連絡や参加の呼びかけをしながら、準備を進めていきました。会場はトヨタスポーツセンターをお借りすることになり、日程もソフトボールシーズンが終わって、そしてあまり寒くないうちにということで、11月18日(土)に決定しました。
この会場と日程決定には、現トヨタ自動車男子ソフトボール部の江口真史監督の存在が大きかったです。現役の監督が会場と日程を抑えてくれる訳ですから、これだけ確かなことはありません。まして彼は闘犬センターの後輩でもありますので、少々の無理は言えます(笑)これもまた縁だと、つくづく思いながらの準備でした。
一番心配していたのが参加者集めでした。前回も1984年の世界選手権に一緒に行ったメンバーだけでは9名集まらなかったんですね。今回もなかなか集めるのは厳しいということは想像できましたので、「杉本さんの還暦祝い」なので、杉本さんにお世話になったやつは参加資格ありと勝手に範囲を広げました。
全日本で一緒だった選手もいますし、ジュニアの世界選手権で杉本さんにお世話になった選手もたくさんいます。闘犬センターの後輩には強制参加を申しつけました。
これで何とかなると思っていましたが、それぞれ事情もあって結局は開催地のトヨタ自動車のOBと闘犬センターのOBが中心のメンバー構成になりました。
対戦相手は元住友金属和歌山で活躍されていた、石井さんが監督をされている「日本福祉大学の女子」にお願いしました。石井さんに連絡をしてお願いすると、
「そんなことならやってあげるよ。」
と、昔悪態をついていた私のお願いを受けいれてくれる、石井さんの人間の大きさに感謝しかありませんでした。
ユニフォーム代わりのTシャツと帽子も準備できました。サミージャパンさん、本当にありがとうございました。
11月18日(土)になりました。
準備も整い、あとはトヨタに集まるだけになりましたが、天気予報が良くなかったんです。日に日に降水確率が上って行きます。
毎日豊田から田中誠一先輩が、
「降水確率60%」
「降水確率70%」
「降水確率が80%になった。」
とラインが入ってきました。心配しているのも分ります。親切に情報を教えてくれているのも理解出来ました。けど結構手間暇かけて準備して来たんです。ここまで準備したならソフトボールやりたいんですよね!
そう思っているのに、雨が降ったらどうしようと思っているのに、毎日このネガティブ情報がラインで送られて来るんです(笑)
ちょっとイライラしました。そして
「ネガティブ情報はいりません。雨天決行です!」
というラインを返信してしまいました(笑)田中先輩申し訳ございません。
4時起床、高知インターを5時出発で出かけましたが、ずっと雨が降り続いていました。天気予報では9時頃には雨が上がるようなものもありましたので、期待しての豊田までの道中でした。
しかしどこまで行っても雨です。8時半頃に豊田にいる江口監督から電話がありました。
「どうも雨は上がりそうもありません。日本福祉大学の石井さんからも確認の電話が入っていますが、どうしましょうか?」
「日本福祉大学は遠いので、もう判断したほうがいいと思いますけど。」
口には出しませんけど、
「山崎さん、無理ですよ!中止にしましょう。」
という雰囲気は感じ取ることが出来ました。石井さんと日本福祉大学の選手にわざわざ来ていただいて、引き延ばしに引き延ばしたあげくに中止では申し訳ありません。
ということで、
「よし、お天気には勝てないので中止にしよう!」
「とりあえず、10時過ぎにはそちらに着きそうなので、後のことは着いてから相談ということで。」
と江口監督に伝えるとともに、石井さんへの連絡をお願いしました。
心の中は超ブルーになっていました。なんで今日に限って雨なんだ!です。
一旦心を落ち着けてから石井さんにお電話をしました。
「残念ですけど中止にさせていただきました。本当にありがとうございました。」
と伝えると、石井さんの方からも残念だったとのお言葉をいただきました。
天気は良くないものの渋滞もなく、トヨタスポーツセンターには順調に到着しました。そこには田中誠一さん、江口監督、山田さん、森さん、清水さんのトヨタ自動車勢と熊本から来た深見さんの顔がありました。
久し振りの再会の顔もありましたので、挨拶やお互いの変わりようを指摘しながらの談笑がすぐに始まりました。
元々12時集合の予定でしたので、とりあえず時間まで待って集まった人間で記念写真を撮るということで待機になりました。
お手伝いをしていただくトヨタ自動車男子ソフトボール部の部室が、待機場所になりました。そこには輝かしいトヨタ自動車男子ソフトボール部の歴史がありました。
18日に来る予定だった人が徐々に集まってくる中、元闘犬センターでこの同窓会の言い出しっぺである家竹選手から連絡がはいりました。
「東名高速が事故渋滞で、まだ静岡にいます。どこまで行っても静岡ですよ(笑)」
「何時に到着出来るか分かりません。」
ということで、習合時間を少々過ぎたころに集まった、家竹選手以外で摂った記念写真がこちらになります。
この中には、この日の試合のためにだけ参加してくれた二人の方がいらっしゃいます。一人は元ホンダエンジニアリングの内野手で大活躍され、現在は城西大学男子ソフトボール部の監督をされている蟹沢さんと、もう一人は元闘犬センターや西日本シロアリでキャッチャーとして活躍され、現在は豊田自動織機女子ソフトボール部のコーチをされている山崎泰稔さんです。
夜の宴会には参加出来ませんが、試合だけ参加させてもらいますとわざわざ来ていただいたのに、中止になってしまって写真撮影のみで帰ることになってしまいました。本当に申しわけない気持ちと、感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。
ここで諦め切れない私が動きました。まず杉本さんに確認です。
「せっかく来たので何もせずに帰るというのももったいないので、明日の朝9時からトヨタ自動車男子ソフトボール部と軽く試合をやるというのはどうですか?」
「どうでもええよ。」
こう言うと分っていて聞いているんですが、杉本さんがやると言っているのでという流れにしたかったんですね、私としては。
聞いている周りの人は
「ヒロシが言いゆうので、やるしかない。」
と思っているのも承知の上です。心の中では
「みんな明日の朝は寒いと言っているけど、ここまで準備してきて飲み会だけで帰るのは嫌ながよ。悪いけど付き合って。」
と頭を下げていました。
たぶん、そこにいたみんなは分かっていたと思います。
「何時集合ですか?」「寒いですよ(笑)」「本当にやるんですか(笑)」と言いながら、異論を言う人は1人もいませんでした。まあ言わせない雰囲気が私にあったとは思いますが(笑)
これで明日の予定が決まりましたので、もうここにいる必要もなくなりました。お腹もすいたということで、近くのファミリーレストランに移動しました。
遅れていた家竹選手一家もここで合流して、昼食を食べてホテルに移動になりました。
この頃には、雨もすっかり上がっていました。もう2時間早ければと思いましたが、明日やると決めたので、そこは切り替えてということで、懇親会までの時間を利用して豊田市内観光に出かけました。
懇親会開催
試合が中止となってしまったこの日のメイン行事の懇親会が始まりました。
昼は参加のなかった元トヨタ自動車男子ソフトボール部監督の井川さんやコーチの園田さん、ピッチャーの宮川さんも参加してくれて、にぎやかに懇親会が開催されました。
杉本さんの挨拶、それからトヨタ自動車男子ソフトボール部から杉本さんに還暦祝いのプレゼントがあり、井川さんの乾杯の音頭で宴会がスタートしました。
そこら中で昔の話しや、今どうしているとかで盛り上がっていました。姿かたちはすっかりおじさんになってしまいましたが、この仲間が集まるとすぐに30年前の気持ちが蘇って来るようです。
ただもうそこには同じ時代を共有した者の思い出があるだけで、昔のようなギラギラしたモノは存在しません。みんな笑顔で話せる大人になっています。
その様子を少しお見せしますね。
11月19日(日)試合開始
楽しい宴会も無事終わり、翌日の朝を迎えました。思ったよりも寒くなく、これなら普通にソフトボールが出来るなという感じで、トヨタスポーツセンターに向かいました。
グランドに着くとすでにアップしている連中がいました。
「おいおい、やる気じゃん(笑)」
今日相手をしてくれる現役のトヨタ自動車男子ソフトボール部もアップを始めていました。聞くと今の選手は、我々のころの選手の2世がいたり、高知県出身の選手がいたりで、気を使って試合をしてくれそうでした。
この日参加してくれていた元トヨタ自動車の山田さんと森さんは親子で出場でしたし、田中誠一さんの長男も少し前までキャプテンとしてここに所属していました。
特に森さんところの子どもさんは、遠目で見ると打ち方、投げ方、走り方が親父そっくりで、みんなで笑ってしまいました。
ただ山田、森両家とも、ことバッティングに関しては親父の方がまだまだ上だと感じました。早く親父を追い抜いてもらいたいものです。
アップをしてキャッチボール、トスをやりました。困ったのはこちらのキャッチャーです。頼みにしていた山崎泰稔さんは昨日だけの参加でしたので、キャッチャーがいません。ポジションを振り分けて行くと、余ったのは私になりました。仕方ないので私がキャッチャーをやることにして、ノックをやってみました。
もうキャッチャーなんて、何十年もやったことがなかったですが、何とかなるだろうと思っていました。不安はただ一つ、膝がもつかどうかでした。ダメなら膝を地面につければいいかと思っていたら、それを察した田中誠一先輩が助け船を出してくれました。
現役のキャッチャーに
「ヒロシがかわいそうなんで、キャッチャーは全部そっちでやってくれ!」
気の毒でしたが、有り難い言葉ででした。
負けず嫌い、強がりの私もこの言葉にはまったく無抵抗で、黙ってお願いしました。本当にありがとうございました。助かりました。
ということで、こちらは杉本さんと私の二人が打つだけの人という、変則メンバーでの対戦になりました。
トヨタ自動車の先発はエースの木原投手です。この選手のお父さんと私は幼馴染みで、まさかこの年になってその子どもと、トヨタスポーツセンターで対戦することになるとは思いませんでした。
1回だけの対戦でしたが、お父さんの友達であり、高校時代に治療もしたことがあることを覚えてくれていたんでしょう。上手に打たせてくれて、左中間のツーベースになりました。ありがとうございました。
当然手を抜いて投げてくれるとは言え、本職のピッチャーを投げさせる必要はないと思いませんか?野手でウインドミルで投げられるという選手がちょうどなんです。これはなかなか打てないぞと思っていたら、1回の表なんかは案の定あっという間の三者凡退でした。
ちなみにケガの恐れがありますので、現役の守りは革ボール、年寄りの守りはゴムボールを使用するという変則ルールで行いました。
年寄りチームの先発は元デンソーの今西投手です。今回助っ人として参加ですが、
「今西、何イニング行ける?」
と聞くと
「1イニングだけ!」
ふざけた助っ人です。どうもこの人は昨夜の懇親会メインでの参加だったようです(笑)
投げてみると往年の力強さは、フォームやボールに感じることは出来ました。ただしスタミナには問題があるのは見え見えで、ベンチに帰ってきるなり
「はい、交替!」
と一言でした(笑)
この試合、熊本に帰る深見さんの飛行機の時間の関係で、10時半には終了しないといけないと思っていましたので、予定では5イニングだったんです。
ですから、1イニング今西、4イニング丸山の予定で、2人には通告していました。
2回からは今西投手の友人で丸山さんに投げてもらいました。丸山さんは稲沢壮年で全日に参加されていて、その時に一回対戦したことがあり、ずっと抑えられていたんですが、ワンチャンスを生かして1点を取って勝ったことがありました。
2年前の高知であった実年の全日に今西投手と同じチームで高知に来られていて、そのときに一緒のお酒を飲んだことがあり、今回助っ人として参加してもらっていました。
2回から5回までは丸山さんに投げてもらいましたが、彼のお陰で大きな得点差にならず、何とか格好がついた形になりました。ありがとうございました。
相当に手を抜いて投げてくれているんでしょうけど、現役ピッチャーのボールはそうそう簡単には打てるものではありません。
投げているピッチャーも、これではダメということでもう2段くらいギアを落としてくれるようになってから、少しずつヒットも出るようになりましたが、得点をあげるところまでは行きませんでした。
バッターも軽く打っているんですが、その打球は速くて、そして野手の間を抜けて行くんです。これはもうどうしようもない実力差なんですね。
ところどころに昔取った杵柄のようなキラッと光るプレーはあるんですが、続きません(笑)
でもまさかこの年になって、トヨタスポーツセンターで現役の選手とプレーが出来るなんて思ってみなかったことでしたから、これはこれでソフトボールの神様がくれたご褒美じゃないかと思います。
試合の様子を少しご紹介しますね。
この男子のグランドは来年全面改修される予定になっているそうです。土は入れ替えられているしうですが、施設自体は杉本さんがトヨタ自動車に在籍していた頃と同じだそうで、江口監督によると、今年で良かったですとのことでした。
あっという間の三者凡退が2イニングもあったせいで、5回を終わっても時間の余裕がありましたので、急遽もう1イニングやることにしました。
試合前に江口監督が私に
「ヒロシさん投げるがですか?投げるがやったら僕出ますけど。」
と言ってきていました。実は江口監督は闘犬センターの後輩ということもありますが、彼が小学校の低学年の頃から知っているんですね。だから彼も私の現役バリバリの頃を知っているんです。
同じチームでプレーしたこともありますが、まさかこのような形で再会するとは思っていませんでしたし、対戦するなんて考えたこともありませんでした。
あと1イ二ンングならやれそうだと感じた私はアップを始めました。そして江口監督に
「真史、投げるぞ!」「打てよ!」
と声をかけました。
ただしばらく雨、雨で練習がなくて投げてないのと、岡山で西村さんに教えてもらった投げ方に変えようとしている最中なので、どうやって投げたらいいのか良く分からないという感じなのが不安で仕方なかったんです。
まあ、何とかなるだろうでしたし、それより対戦すること自体で幸せでした。
マウンドに行って既定の5球を投げましたが、予想以上にどうにもなりません。正式な試合ではないので、もう少し投げさせてもらおうと思いましたが、そこはみんなの前で格好はつけたいので、そのままプレイボールです(笑)
「おいおい、全然ボール行ってないやん!」
森、山田二人の二世にヒットを打たれ、いよいよ江口監督との対戦になりました。ちょっと肩も暖まってきていたのと、少し手の感覚もつかめてきていたので、外にスライドさせて引っ掛けさせようとしました。
ボールは予定通り真ん中から外に少しスライドしたように見えたのですが、まだトヨタ自動車で監督兼選手で試合に出ている江口監督には、そんな変化など意味のないものだったようです。
内側からきれいに出たバットは、ボールを正確にとらえてあっという間に右中間の真ん中を抜けて行きました。
完敗です(笑)悔しい~!
家竹選手のファインプレーなどもあって1アウトを取っていましたので、最後は内野ゴロを打たせてダブルプレーで終りろうと必死になりました。
外角低めに沈めたボールを打たせてセカンドゴロ、セカンドは元トヨタ自動車の清水選手でしたが、ショート家竹、ファースト深見と闘犬センターのチームメイトにボールがきれいに渡ってゲームセットになりました。
このダブルプレーを見た江口監督から出た言葉が、
「上手いですね!」
でした。
いろんなことがありましたが、本当に楽しい2日間になりました。
試合終了後は、両チームでの記念撮影になりました。
みなさんに感謝します。
今回のトヨタスポーツセンターでの還暦祝いソフトボール開催にご協力、ご参加いただいたみなさん、本当にありがとうございました。心より御礼申し上げます。
宴会の手配、ホテルの手配をお任せして、大会開催要項の作成や連絡をしていただいた田中誠一さん、お疲れ様でした。あなたのお陰でこの会を開催することが出来ました。また高知に」帰ってきてくださいね。お世話しますから(笑)
そして江口監督、あなたがトヨタ自動車で監督していることを不思議な縁だなと思っているのと同時に、あなたがトヨタ自動車の監督で良かったと心から思っています。これからもトヨタ自動車で頑張ってください。
今回は群馬教員勢からの参加は浦野さんだけになりました。18日は朝帰るということで、試合には参加されませんでしたが、出来れば1イニングだけでも投げてもらいたかったです。参加していただいてありがとうございました。
1984年の世界選手権の監督は岡先生でした。お体の調子もあって遠出は難しいということで、岡先生の方から次回は群馬でという提案がありました。
飲み会という性質上、すぐに盛り上がってやろうという話しになります。岡先生の生きているうちになんて発言もあって、3年後とか4年後とか悠長なことは言ってられない、来年やろうという話しになり、今回膝の手術で不参加だった大木さんにその旨連絡しました。
来年は彼が段取りをして連絡があると思いますので、みなさん次回は群馬でお目にかかりましょう!楽しみにしています。
たくさん旅費がかかったので、次の次は高知で開催しますからね。参加してください。来ないだろうな(笑)