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50歳を超えると若い頃と同じ投げ方は出来なくなってきます。
今回は50歳を超えても頑張って投げ続けておられるピッチャーの投げ方を見ていただきます。
弘瀬拓生投手のピッチングフォーム
これは平成29年6月4日(日)の練習時のピッチングフォームになります。
前回はピッチング練習の時の動画をご紹介しましたが、今回は実際にバッターに対して投げているところになります。
バッター相手に投げる時はやはり、
「抑えてやろう!」
「打たれたくない!」
という気持になるのがピッチャーであり、その気持がない、弱いピッチャーなんか存在しないと思います。それが悪い方に出てしまうと、力んでコントロールを乱したりすることになりますね。
では弘瀬拓生投手の投げ方を見てもらいましょう。
どうでしょうか?カメラアングルの関係でバッターやキャッチャーが映っていないので、ボールがどこに行っているのか分からない動画になっていますが、コントロール良く投げるにはこうするんだというような投げ方ですね。
有吉久和投手のピッチングフォーム
高校時代は負け知らず。大学、社会人とピッチャーを続けて来て、壮年(40歳以上)では日本マスターズ大会の優勝や、数々の全国大会に出場の原動力になったピッチャーです。
投げること大好き!
これが今でも有吉投手を、ピッチャーとして生かす最大のエネルギーになっています。
下半身が若い頃のように使えない、沈まない。フォームが年齢とともに小さくなっているのは仕方ないですね。そんな年齢ですから(笑)
しかし動画を見ていただいても分かるように、しなやかな腕や手首の使い方は忘れてはいません。ですから、力まず腕と手首がムチのようにしなって使えている時の有吉投手のボールは、なかなか簡単に打たせてくれないボールになります。
それでは動画をご覧ください。
どうでしょうか?調子がい良い時はもっと力感としなりがありますが、この日は少し大人し目といった感じでしょうか。試合になると力んでしまって手首が硬くなり、ボールのキレとスピードがなくなったり、コントロールが甘くなって痛打される場面が見られます。
これだけの実力と経験を持っているピッチャーでも、一旦そんな状況になるとなかなか冷静になれないのも、ピッチャーの難しいところではないでしょうか。
有吉久和投手のピッチングフォームをスローモーションで解説
普通の動画では速くて、実際どんな動きをしているのか分かりませんよね。
と言うことで、スローモーションで撮影したフォームを見ていただきます。
投げ方は「ワンモーション」と言えばいいでしょうか。「飛んではいけない。」「軸足は地面から離れてはいけない。」というルールの時代にピッチャーを始めた関係で、今のようなフォームになっているんだと思います。
投げていると地面が掘れてきますので飛んでいるように見えますが、軸足(右足)は引きずっている(地面から離れていない)感じにはなっています。今はルールで「飛んで良い。」となりましたので、あまり神経質にならずに投げているとは思います。
見ていただきたいのはリリース時の手首の柔らかい使い方です。これが有吉投手のキレの良いボールが投げられる秘密だと言っても過言ではないと思います。
さらにプレートを蹴ってスタートをして、前に飛んで左足と右足がほぼ同時に着地した体重移動のエネルギーを、一気に鋭くて柔らかいリリースに繋げています。
これも速いボールを投げる一つのやり方ですね。
私がやっているような右足が着地して、続いて左足を着地させる(ツーステップ)では球速が上がって来ない。両足がほぼ同時に着地するようでなければ(左足が先に着地はない)、ボールは速くならないと西村さんが言っていたことの証明みたいな動画になっています。
その西村さんの解説はこちらをご覧ください。
山崎浩誌の打者相手のピッチングフォーム
さて最後は問題の私のピッチングフォームをご覧いただきましょう。これまではジャンピングに挑戦ということで、フォームの変更の過程を追ってみていただいてきました。
この日は弘瀬先生がビデオカメラを持って来ていて、
「今日はバッター相手に投げゆうところを撮影しちゃお!」
という一言で、この日の打者相手のピッチングになりました。
バッターを相手にすると、普段バッターなしで練習しているより気合が入ります。力も入ります。ですから自然とボールのスピードも上がることになります。これがプラスの面でしょうか。
逆にバッターがいることで、ボールを投げることが第一になってしまうので、私のような単細胞な頭しか持っていない者は、これまで注意してやってきたことを全て忘れて、ボールを投げることに集中してしまうことになります。
この日の動画を見てみてください。
どうでしょう?
これまでやってきていた
「左手を上げる」
「上に飛んで間をつくる」
「インステップをして横を向きやすくする」
などのことはすっかり忘れて、当初のような「スキップ投法」で投げている姿にガッカリしました(笑)
ただボールは縦回転しているので、バットの下ッ面に当ってゴロになる打球も多く、そこだけは少し進歩しているかなという感じでしたね。
ただ普段とは違う投げ方になっていることは確かで、左足の爪先は踏み出した時にほぼ正面を向いて投げてしまっていましたし、見ていただいても分かるようにコントロールはバラバラですし、変化球の練習は全くしていないのでだんだんタイミングと球筋を見極められるようになってしまいました。
しみついた昔の投げ方は、何年やり続けたら少し消えるのでしょうか?
それぞれの投げ方がある
今日ご紹介した3人のピッチャーには、それぞれの投げ方があります。誰に教わったかとか、誰にあこがれて真似をしたとかという要素もありますが、やはり持って生まれた投げ方があるというこだと思います。
その持って生まれた素材にどんな味付けをして、どんな形にしていくかが大切なのではないでしょうか。
どの投げ方が正解というものはないと思います。最終的に
「打たれなければいい!」
これにつきます!
打たれないボールは、「速い」「変化が大きい」「変化が鋭い」「緩急がある」「コントロールが良い」「重い」などの特徴があるはずです。
自分の体格、体型、投げ方、柔軟性、筋力、練習が好きか嫌いか、性格などを良く考えて、どんなピッチャーを目指すのかを決めて行ってもらいたいものです。
実年以降はこれに「年齢に合った」という要素を加える必要がありますね(笑)
お断り:動画の撮影中を意識しない連中の「土佐弁」が随所に入っています。申し訳ありません(汗)