【プロが解説】ソフトボールのピッチャーの腰や腕のつかい方
ピッチャー(投げ方)に関して、ご質問をいただきました。
いつもお世話になっております。
高橋速水投手のDVDを購入した〇〇と申します。
私は社会人からウインドミルをはじめました。身近に指導者がいないため、DVDは正しいフォームなど非常に参考になりました。ありがとうございます。
腰を捻るとは?
質問①ブラッシングの際に腰をひねると説明がありましたが、これは意図的にひねるのかそれとも自然に腰がひねられるのでしょうか?
回答
ピッチングでは、一歩の踏み出しで体重移動して投げます。
大きく前方に「踏み出し足」が出され、着地すると体重移動にブレーキをかけることになります。
前足が着地すると、踏み込んだ前足とその上にある骨盤は止まり始めるので、ブレーキがかかるのです。
プレートを蹴った蹴り足は、蹴った直後から体のバランスをとる動きをしながら、前方向に引きずられます。
この動きの最中に、踏み出した方の骨盤は動きが止まり始めますので、後ろの足は前方向に出てきます。
前の骨盤が止まり、後ろの骨盤が出てくるようになります。
この動きから、自然に腰が回ったようになるのです。
実際には、自然に回る・・・が正しいと思います。
ここで、腰をひねるとは・・・。
高橋君のように腕振りが速く、下半身のスピードもある投手は、腰を回さないように止めながら投げたり、前足を踏ん張って、腰が十分回ってくるようになるまで、待って投げたりすることができます。
腰をひねるという表現をしていたのは、この「待つ時間」を使うということで、あえて使ったのだと思います。
ウィンドミル投法は、腰の動きを止めても投げることができますが、体を十分に使うことを考えたら、腰が回ってくるまで「待つ時間」が欲しいのです。
言葉の表現は、難しいですね。
勉強になりました。ありがとうございました。
腕を速く回すためにはく
質問②高橋投手の腕の回転の速さに驚きました。どのようにしたらあのように速く回せるのでしょうか?私は速く回そうとすると力が入りファームがバラバラになり、逆に球が遅くなってしまいます。何かコツがあれば教えてください。
回答
高橋投手の腕の回転は、天性のものです。
彼は、中学校時代からスピードもあり、コントロールも結構よかったのです。
高校時代も、あの腕振りがあったからこそ全国大会でも優勝ができたのです。
腕振りは、背筋や、肩の力を使いますが、そこに力を入れて投げようとしても、なかなか腕振りが速くなるものではありません。
体重移動を速くして、体全体で腕を振り回すことが必要になります。
振り回すとは、少し乱暴な言い方ですが、腕を後ろに引き、後ろから前、前から上、上から下、下から前、というふうに振るのです。
腕力で振る方法もあるのですが、よほどの剛腕でないと速い振りはできません。
NSABで紹介している「チューブトレーニング」は、腕振りを速くする方法としては、いいトレーニング方法だと思いますので、ぜひやってみてください。
腕を振る動作を繰り返し、そのために必要な筋肉を速く使えるように鍛えるのです。
もし、やることになるようでしたら、1~2か月後の結果を教えて頂けらたと思います。
軸足が前に出てしまうのですが
質問③DVDの内容ではありませんが、私はプレートからの飛び出しの際に右足が前方に出てしまい、イリーガルになることがあります。何か改善方法があれば教えてください。
回答
右投げと思ってよろしいでしょうか。
プレートを踏む右足は、プレートの上になければなりません。
スライドすることは違反にならないようですが、一度足を地面から浮かせたり、プレートの前に足が出たりするとイリーガルになります。
勢いよく投げようとすると、ついつい、一度前に勢いをつけて投げたくなるものです。
投げる前の動作がどんな状態かわかりませんので、的を得た回答になるかどうかわかりませんが、右ひざに体重を十分にかけて、投げ始めると足が「はみ出ない」のではないでしょうか。
自由に右足を使いたいところですが、プレートから離れてはいけないということを考えると、右足には制限がかかっていると思っておきましょう。
外国では、ローカルルールとして、右足を一度高く上げてプレートを踏み、投げることを認めている地域もあります。
しかし、日本や国際ルールでは、制限がありますので注意しましょう。
一度踏んだ右足は、そのままプレートを踏むように癖づけることが必要になります。
頑張ってください。
ご質問ありがとうございました。