西村信紀投手のライズボール
西村投手の動画第6弾、「ライズボール」です。
しっかりボールに指がかかった時のボールの浮き方に注目して下さい。
以前私のブログ「ソフトボールを愛する人にお届けするブログ」(アメブロ)でご紹介したことがありますが、高速度カメラで撮影して確認すると、日本の歴代ピッチャーの中でも素晴らしいライズボールを投げられていた、デンソーの村里投手のライズボールですらボールは浮いていないとされました。
普通ボールは空気抵抗によって減速して落ちてくるんですが、回転によってそれが落ちずに真っ直ぐ来るので浮いたように感じるというような研究結果でした。
しかしこの二人のボールを実際にバッターボックスで見た者としては、あれは間違いなく浮いていると言い切ることが出来ます。沖縄の宮平投手なども同様に、バットを振るまでは高めのストレートのように感じるのですが、打とうとした瞬間にボールが浮き上がる手に負えないライズボールを投げていました。
この動画の頃は、今と違って白い革ボールでしたが、現在のイエローボールは以前のようには浮かないようで、ボールの回転がジャイロ回転(らせん状に回転する)で、下から上に投げ上げている感じになっていると、西村投手が言っていました。
時代時代で道具に合わせて技術も進化していくものですが、バッターの打ち方が変わった(アッパースイング全盛期?)今、浮き上がるライズボールはすごい武器にないるような気がしてなりません。
ただボールの回転数が多いので、とらえられると遠くへ飛んでいくのもライズボールの特徴です。中途半端なライズボールほど危険なボールもありせんから、しっかりとしたキレとコントロールも必要になります。
西村信紀投手の攻略法(沖縄県)
沖縄県チームは西村投手のライズボールだけを狙って、攻略したことがあります。その当時のことを元沖縄県の国体チームのメンバーに聞いたことがありますが、
「西村さんのドロップは打てません。」
「打てる可能性のあるライズボールだけを狙っていました。」
と言っていました。
確かに当時の西村投手のドロップをとらえて長打を打てるバッターは、日本にはほぼ存在しなかったと思います。沖縄県チームはそれをしっかり分析して、高知県に勝つ方法を考えたんだと思いますが、自分のチームにライズボールの名手宮平投手がいて、練習で打つことが出来、目を慣らすことが出来たことが、西村投手のライズボールを攻略できた大きな要因になっていると思います。
どのような環境に身を置くことができるかで、選手の成長、レベルの違いが出来てくるということではないでしょうか。上手になりたかったら、もっと厳しい環境、もっと厳しい競争、もっと厳しい練習を手に入れる必要があると思います。頑張ってください。