昨夜1:01私のスマホのチャイムが鳴りました。
誰だろう?
何だろう?
と早めに布団に入って、寝ようとしていた私の目に飛び込んで来たのは、長崎県のリクルート活動から帰って来た、西村信紀環太平洋大学男子ソフトボール部監督からのメッセージでした。
先日送っていたメッセージへの返信だったのですが、これからが思ってもない展開になりました。
ちょっと公開出来ない内容(言葉が良くない)もありますので、少々言い換えたり省略したりはしますが、ニュアンスは伝わると思いますので読んでみて下さい。
すごい高校生がいた
西「金曜から今日まで長崎にリクルートに行ってきました。」
「やはり佐世保西が抜けてましたね。」
「高校生で126キロ?あり得るんですかね。」
「あまりボールは動いていません。」
山「高校野球なんかもプロ野球並のスピードを出すピッチャーがいますよね。」
「ただキレとコントロールが違うのと、あれがあくまでも初速だということだと思います。」
「普通やと、高校生のキャッチャーが取れないと思うんですよ。」
「これが慣れているとはいえ、簡単に取るということは、終速はそんなに速くないということじゃないんでしょうか?」
(中略)
ピッチャーを作る難しさ
西「どの大学のピッチャーも、打たれ出したら全部初球を打たれ続けます。」
山「速いだけではダメなんでしょうね。」
「同じタイミングを何球も続けると、簡単に打たれる。」
「打たれてさらにテンポが速くなる。」
「こんなことは昔から言われていますけどね。」
西「投手を作るのは難しいですね。」
「隣で投げているのに、盗んでくれません。」
「腕の回転、振り上げが早すぎる投手が多すぎて頭痛いです。」
山「なんやろうね。」
「やろうとしないのか、やろうとしても出来ないのか。」
「まあ西村投手は別格なんですけど。」
「振り上げからの腕の回転、さらにボールのスピード感が同じなら、速さはあんまり感じんね。」
西「ただでさえ動きにくいボールなのに、回転も悪く高さも甘いでは打たれますよね。」
ジャイロボールでは勝負出来ない
「回転はジャイロが多くて、メリットが無いです。」
「最近の子は今だにストレートと言ってます。」
山「西村と大木から「ストレートはないですよ。」と言われたのは、もう20年も前のことですけどね。」
公表出来ない二人だけの秘密は別にして、ちょっと説明が必要なところもありますね。
ピッチャーのボールはライズやスライダー系を除いて、縦回転をしているのが良いとされています。
ジャイロというボールは螺旋を描くように進んで行くので、空気抵抗が少なくなります。
野球ではジャイロという魔球とか言って、話題になったことがありましたが、ソフトボールだとあまり意味がないんです。
そのジャイロを投げるピッチャーが多いと言っているんです。
腕は振り上げから回転、さらにリリースに行くにしたがってスピードが速くなるのが理想です。
リリースの瞬間が一番速くて、鋭い動きが出来れば良いボールが投げられます。
腕の回転は速い方が間違いなく速いボールが投げられるんですが、最初が一番速いピッチャーがいます。
最初が一番速いと、後は遅くなるだけですよね。
ストレートという球種はない
そしてストレートのことです。
これはまだ闘犬センター時代のことです。あまりにもコントロールの定まらない大木投手に私が指導していた時のことでした。
私の時代の基本は外角低めのストレートでした。
そこを基本に練習して、ボール半分の出し入れをしてバッターを打ちとっていました。
それを説明していたら、
「僕らの頭の中には、ストレートという概念はない。」
というようなことを言われた記憶があります。
激震でした。動かないボールは外国人相手なら全く通用しないということを経験してきた二人だから言える言葉でした。
あれからもう20年以上経ちました。イエローボールになって、さらにボールは変化しづらくなり、打ち取るためには小さくて鋭い変化でバットの芯を外す必要があるんだということを言っているんだと思います。
ただ、小学校や中学校、高校でこんなことを言っている指導者はいないのではないかと思います。
できれば最終的にはこの感覚を持っている選手が、世界を相手に戦えるピッチャーになれるんだということは教えてもられるといいなあと思います。
投げ方は人それぞれ、ただし、振り上げ、回転は速すぎず、リリースの瞬間に最速、最大の力を集中して、しなやかに腕が触れるという基本を教えてあげてもらえないでしょうか。
そしてボールは縦回転。
たったこれだけです(笑)
49歳と56歳のおじさんの、夜中のミーティングの様子をご紹介してみました。
若者たちはもっともっと語り明かしているんでしょうね。
おじさんがこれがけ考えているんですから、もっと考えてソフトボールに取り組んでもらいたいものです。