日本中、いや世界中が新型コロナ感染拡大防止に頑張っている時に、嫌な出来事がありました。
昨日会社が借りている一軒家に訪問者がありました。普段は誰も出入りしない裏口から声がします。「誰かな?」と思って見てみると作業服を着た若者でした。
「近くで屋根の工事をしてたらお宅の屋根が大変なことになっているのが見えて、親方が教えちゃりや(教えてあげて)と言うので来ました。」と言うではありませんか。近くで屋根工事なんかしてたっけ?とは思いましたが、大変なことになっていると言うのでとりあえず聞いてみることにしました。
「こっちから見えるので見てもらっていいですか?」と外に連れ出されました。「ここから見えます。」と屋根が見える場所に連れていかれました。「屋根の上に乗っている瓦がありますね。あの下のところに本当は漆喰があって、それが全部無くなって下の赤土が見てるんですよ。見えますか?」離れたところから見てますし、瓦の下の隙間ですからそれが赤土かなんて分かるはずがありません。「見えんで。」と答えると、「今は下の防水シートでなんとかなってますが、防水シートが劣化したら雨漏りがします。」「大変なことになっちゅうき、教えちゃりやって親方が言うてます。」「今なら屋根に上って見ちゃれる(見てあげられる)がやけど。」
まあなんて親切な人って思うんでしょうけど、ひねくれ者の私はそうはいきません。まず「近くで屋根工事なんてなかった。」と不信感を持っていました。さらに万が一そんなことになっていたとしても見ず知らずの業者に工事を頼むなんてことはしません。なので「ここは貸家なんで大家に言うてみるわ。」と屋根に上って見てくれるということは断りました。
次は屋根の写真を撮って施設の設計をお願いしている設計士にラインを入れます。「こんなことを言うてきた奴がおるけどどう?」で「この瓦は昔の瓦と違って新しい物で土や漆喰を使う物ではない。台風や強風でも飛ばないように軽量で、飛ばないように処理されてるもののはず。」と言うではありませんか。さらに「写真では良く分からないので、近々見に行くわ。」と言うのでお願いしました。「なんや心配するようなことはなかったやん。」と安心したところで視野が広くなりました。違う場所から(もっと良く屋根が見えるところがあることに気がつきました。)屋根を見てみると赤土みたいなものは見えないのですが、モルタルのような白いものが見えることに気がつきました。
そうなると屋根に上って近くで確認してみようという思いになりました。脚立を出してきて二階のベランダに行きます。そこから屋根には簡単に上がれました。そして言われていた瓦の下を覗き込んでみると、そこにはしっかりモルタルがありました。「赤土なんかどこにもないじゃないか!」「あいつ騙して屋根工事をして工事代を請求するつもりやったがや!」ふつふつと怒りがわいてきます。
写真を撮って設計士に確認。「大丈夫。」との回答でした。しかしこんな新型コロナで大変な時に、こんな詐欺まがいの行為が行われているとは・・・・・・・
今回は相手が私のようなひねくれ者だったので被害にあいませんでしたが、これが高齢者のお宅だったらと思うと頭にきますよね。「親切に言うてくれてありがとう。雨漏りしたら大変なことになっちょった。」と工事をお願いしてお金を払っていたかもしれません。
この貸家はうちの施設の眼の前にあっておばあちゃんが一人で暮らしていました。今は施設に入居していただいているんですが、去年100歳をむかえられて総理大臣から表彰もされ、今もお元気にされています。家は人が住まなくなると痛みますし、うちも事務所が手狭になっていたのでお借りして管理もさせていただいています。もし今回のことがおばあちゃんが一人でいる時に起こっていたらどうだったでしょう?本当に頭にきます!あぶんあの業者たちのターゲットは高齢者だと思います。自分では屋根に上がれない。親切に言うてくれたので、頼んでみよう。という優しさにつけこんだやり口のように思います。
もしみなさんのお父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんが家族と離れて暮らしているのであれば、「こんなことを言うて来たらそのまま頼んだらいかんで。近くの大工さんにでも見てもらいよ。」って連絡してあげてください。
被害にあわずに良かったと思っていたんですが、だんだん腹が立ってきました。「しまった、連絡先聞いておいたら良かった。」と思いましたが、こんな奴と関わりたくなかったのでそのまま帰してしまいましたので後の祭りです。こんど来たら懲らしめてやります。
嫌な出来事の後には、嬉しい出来事もありました。今朝県外にお住まいの入居者様のご家族から「大変でしょうから。」とプラスチックグローブ(手袋)とマスクの中に入れる取り換えシートを送っていただきました。ご自身も大変な時期に、本当にありがとうございました。大切に使わせていただきます。
今のところ利用者様・入居者様及びスタッフに発症者は確認されておりません。在庫がなくなっていましたマスクも一定量確保することができて、備品もなんとかなっていますのご安心ください。スタッフみんなで頑張っております。
全国的にも発症者数が抑えられてきて、高知県では非常事態宣言の解除も近いと言われています。ワクチン開発、普及までは気を許すことは出来そうもありませんが、五月晴れの空を見上げる余裕が少し出てきました。
不要不急の外出自粛の中、極力どこにも行かないようにして会社にいたら詐欺まがいの営業が来たという事例のご紹介でした。みなさん気をつけてくださいね。