【日本男子西日本ソフトボールリーグ】高知パシフィックウェーブのみなさんへ
今シーズン日本男子西日本ソフトボールリーグで5位に終わった「高知パシフィックウェーブ」の選手のみなさん、お疲れ様でした。思いもよらない結末で「5位」という結果になってしまったあの場面に居合わせた者として、一言激励の言葉を述べさせてもらいたいと思います。
このブログを読んでくれている選手がいるようですので、あえてこの場を借りて来シーズンも同じことがないように、私の想いを述べさせてもらいます。一人の先輩ソフトボーラーからの激励の言葉として聞いていただければ嬉しいと思います。
さて、ベンチに行ってみたらどうも雰囲気が重く、聞いてみたら思ってもみなかった「5位」という結果を受け止められていないメンバーの姿がありました。そてはそうですよね、ついさきっきまでは久し振りの決勝トーナメントに向けてやる気満々だったんですから。それが思いもよらない「ダイワアクト」の敗戦によって「5位」になってしまって、決勝トーナメントに行けないは、来年の全日本総合の推薦出場までがなくなってしまいました。これで暗くならない人はいませんよね。
暗くなるのは仕方ないとして、ここからがこれからの「高知パシフィックウェーブ」が成長するか、現状でとどまるかを決めることになるのではないでしょうか。話しを聞いていたら、「4位やと思うたのに・・・」「久し振りの決勝トーナメントで頑張ろうって・・・」などの声が聞こえてきました。そこで私は岡本監督に「4位になって決勝トーナメントに行こうや4位を目指そうなんてことを考えてやっていたら4位にはなれない。優勝を目指して練習して試合をしていたら、4位になることなんか簡単なこと。」というような事を言いました。
すると岡本監督からは「そう思ってやってきたつもりだったんですけどね。」というような返事が返ってきました。本当に監督以下全員でこの意識を共有していたと言えるんでしょうか?もうこのチームで「常に日本一」を争ってきた時代を経験している選手は監督しかいなくなってしまいました。ここに監督と選手の意識の差が生まれているのではないかと思います。岡本監督が「闘犬センター」に入ってきた頃は、既に「日本一」であり、そこにいるだけで日本一になる練習や試合運びを身につけることができました。
そういう意味では今は難しい時代になりました。常に「日本一」だった監督の元に、高校時代や大学そして社会人になって「日本一」を経験している選手がいて、そして今入部してくる選手たちはその世界を知らないという感じになっているようです。この意識レベルの違う選手たちに「日本一を目指す」という気持ちを、共有させようとするのは至難のわざかもしれませんね。
監督は常に日本一を意識してやっているが、現場の選手たちはその「日本一を目指す」道が見えていないのではないのか。どうやったら日本一になれるのか、どれが正しい日本一への道なのか、今自分たちがやっていることを続けていたら日本一になれるのか。
その答えを持たない選手たちには、この道はとても遠くて険しい道に見えているのかもしれません。今言えることは、今シーズンやってきたことの結果は「5位」だったということです。優勝するにふさわしい練習や試合ではなかったということでしょう。
ベンチでの反省会終了後、あるベテラン選手と話してしたところ、「今年は取りこぼしはしてないんですけどね。負けているのは上位のチームばかり。」という言葉が出てきました。その時はその言葉を普通に聞いていたんですけど、あとで思い出して考えていると、この選手たちは「負け数」を計算しているのではないだろうか?と思うようになりました。
リーグ戦は負けても次の試合が必ずあります。けれど負けなければ必ず優勝することが出来ます。「高知パシフィックウェーブ」は最近「決勝トーナメント」に進出することが出来てなくて、「全日本総合」にも出場することが出来ていません。さらに愛媛との相性の悪さもあって「国体」にもなかなか出場出来ないようになっています。
ということは「負けが許されない」一発勝負の経験が少なくなっていることも、高知パシフィックウェーブの成績が伸びない原因の一つではないでしょうか。
推薦出場できないのなら、予選から出場して全日本総合に出たらどうですか?そこで優勝したら自信になりますよ。若い選手たちにはそれが必要なのではないでしょうか。リーグで負けても次があるということばかりを繰り返していても、ここ一発の強さは養われないように思います。
練習でよくやる「もういっちょうお願いします。」ですが、試合にもういっちょうはありません。それを想定して練習しているかどうかだと思います。クラブチームである高知パシフィックウェーブは回数も時間も他の実業団チームより少ない中で、試合で使える戦術、技術を磨いていかないといけないハンディがあります。
守備練習も打撃練習も納得いく一回が出来たら、それでおしまいにするくらいでもいいんじゃないでしょうか。出来ないやつは徹底的にやる、出来たら一回で終り。試合では失敗したら終わりです。負けたらやり直しはありません。
少ない回数と、短い時間と、少ない人数で闘うには、強いチームと同じことをやっていたんでは勝てないような気がします。
今年のやり方では「5位」にしかなれないということが分かったんですから、このオフから「優勝」出来る練習に変えて行ってもらいたいと思います。残念ながらその方法は自分たちで見つけてもらうしかないんですけどね。今のソフトボールを一番知ってしるのはあなたたちなんですから。
高知新聞の夕刊にこんな記事がありました。高知県の子どものソフトボール人口が半減しているというものです。これまで「ソフトボール王国」と呼ばれた高知県を支えてきた多くの子どもたちの数が減っています。
そして以前は社会人にも「日本一」のチームがあり、小学生、中学生、高校生の時代にも「日本一」を経験している子どもがたくさんいました。日本で一番が身近にあったんです。これからはその人材の確保もままならない時代がやってこようとしています。
その中でもソフトボールで頑張ろうと思っている子どもたちの希望となるよう、「高知パシフィックウェーブ」にはまだまだ頑張ってもらわなければいけません。
偉そうなこととを長々書いてきましたが、恵まれない環境、なかなか評価されない実績、つらい練習の中頑張っているあなたたちを、何も出来ないですが遠くから応援しています。
来年の捲土重来を心から願っています。