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私がこの2年追求してきたのは「ボールを速くする」ということでした。そのために西村信紀さんに教えを請い、フォームもルール改正もあってジャンピング・ツーステップ投法にチャレンジしてきました。しかしなかなか思うような結果は出ず、ついには無理してスピードガンの数字を出そうとして腰を痛めてしまいました。この全力投球出来ない時期に、頭の中を整理してみました。
西村さんに相談してみました。
この動画は6月16日(日)のものです。これを弘瀬先生と撮影していて、頭の中に浮かんできた疑問を西村信紀さんにぶつけてみました。内容は次のようなものです。
Q:今日投げていて弘瀬さんとの考え方の違いが明確になりました。また動画でもアップ出来ると思いますが、上体を前傾させて飛び上がる。その時に手の引き上げ動作の前に上体を引き起こす(左足を上げることで、上体は引き起こされる)ようにして、その動作によって腕が力まず上がってくると思いやってみました。それを見ていた弘瀬さんは「上体が立つのが早すぎる。」「もっと前傾したまま突っ込んで、足が着地したらそこで踏ん張って上体も腕も引き上げて来る。」と言います。どちらが正解ということもないのですが、リリースの瞬間に力を入れるためには、引き上げ動作に力を入れないようにした方がいいと思いますが、どうでしょう?
A:テイクバックを大きくとり、前傾姿勢からスタートするタイプの投手の場合はアリだと思います。低い姿勢でスタートすると、着地後リリースに力をプラスするには下半身を使って上に向かって力をボールに伝えるしかないですね。昔の中島投手はリリースで飛び上がるくらい下から上に擦り上げていました。しかし晩年の桃次郎で128キロを記録した時などは、やはりリリースは振り下ろしていました。ツーステップやジャンピングで投球する場合には、やはり上体を高く起こして振り下ろし、リリースにつなげて腕を腰の回転に乗せると、やはりベルト方向にリストターンをして地面に向かってグーという形になると思います。ブラッシングで接触動作を起点に肘から指先をスピードアップさせられるかがカギになるのではないでしょうか。今回の世界選手権では、南アフリカを始めドロップ系のほとんどの投手が上から下に振り下ろしているのが見受けられますね。低めに投げるため、フィニッシュは前傾になっています。ライズは飛び上がっている投手もいます。120キロ出てないのはフィリピンや控え投手くらいではないでしょうか。精度とコントロールがやはり悪いので、打たれるのはベルト線、空振りするのは膝下のボールが多いですね。僕はツーステップにトライしてこなかったのですが、今の投手全般を見ると飛んでツーステップで投げるのが有効なんでしょうね。メリットがなければやらないと思うので、トップ選手がするという事はメリットが多いのでしょう。
やはり速いボールを投げようとするのであれば、今のピッチャーがやっているような投げ方にするのがいいようです。ただいいことばかりではなくて、やはり飛んで振り下ろして投げると「精度とコントロールは落ちる」というリスクが伴うことは間違いないようです。私が20歳代でこれから世界を目指すというのであれば、これは迷わずこの道を進んでいくべきなんですが、私は今年還暦を迎える年齢です。ただ仮想敵とした西村さんが120キロ近くのスピードボールを投げているので、私も出来れば110キロ近くのボールは投げたいと思ったこといから、この無謀なチャレンジは始まりました。
しかし思うように球速は上らず、さらに精度とコントロールを失うといなってしまっている状況では、すぐ傍に素晴らしい精度とコントロールでバッターを抑えていく弘瀬拓生先生の存在もあって、ますます迷いの道にはまり込んでいます。結局ピッチャーはバッターに打たれなければどんなフォームで投げていようが、どんなスピードのボールであろうが良いピッチャーなんです。そういう意味では私は今とってもダメなピッチャーになってしまっています。そうなんです、私はただ西村信紀さんに勝ちたい(速いボールが投げたい)ということだけで、このチャレンジを始めたので、試合で投げようとかバッターに打たれないとかということは二の次だったんです。それがシニアになり試合で投げないといけなくなり、いざ投げてみたら思ったところにコントロール出来ずにフォアボールを出したり、カウントを悪くして甘いコースに投げて痛打されるようになり、このままではマズイと思い始めたことから迷いが生じました。
どこを目指すのか?
迷ったおかげで分ったこともあります。速いボールを投げるのであれば、このまま振り下ろしからリリースを最大加速させる投げ方を追及する。精度とコントロールは投げ込みしかそれを向上させる手段はない。試合では常にMAXで投げるわけではないので、70~80%の力で投げることによってある程度の精度とコントロールは確保される。逆にスピードガンの数字ではなくて、バッターの手元でのスピード感と精度を追及するのであれば、飛ばずに(飛んでも少し)ボールを長く持って押し込むように投げるようにする。このどちらにするのかしっかり決めてこれからの練習を進めていかないと、どっち付かずの中途半端なものになりそうです。今はまさにその状態になっていました(笑)
で決めたのはまず腰が治るまでは飛ばずに腕の降りおろし動作とリストターンを意識して、ボールをしっかり縦回転させることいをやる。
そして腰の痛みが消えたら、どう飛ぶのか、どれくらい飛ぶのがいいのか、ツーステップなのかジャンピングなのかを決める。実際に投げられないので自分の動画を見直すことが多くなりましたが、思ったことは『お前は飛ぶのが下手!』ということでした(笑)飛ぶというエネルギーをボールに伝えられていない。それなら飛ばない方がましということになります。それでもやっぱり飛んで速いボールが投げたいという気持ちは消えません(笑)欲であり夢です。簡単には諦められません!
早く腰の痛みが消えますように!!!