今朝(3月12日)の高知新聞朝刊に、四国アイランドリーグが7イニング制を採用するという記事が掲載されていました。野球を7イニングにするとどういうことが起こるのでしょうか?
時間短縮
オリンピックの関係でも、この野球の7イニング制の採用は取りざたされているようですね。9イニングだと放送時間に入りきらないので、7イニングにして時間短縮をすることが目的のようです。9-7=2ですので、2イニング分試合時間が短縮されるのは間違いないですね。ただこの2イニングというのは結構大きな違いになって、野球の試合の組み立て方も変わってくるかもしれません。
私は自分で長くソフトボールをやって7イニング制のゲームには慣れていたつもりでした。それでも野球の試合は9イニングだという感覚でした。と言うのも社会人野球のトレーナーとしてベンチに入らせてもらうこともあり、東京ドームでの都市対抗野球や京セラドームでの日本選手権も経験しました。とっても楽しい経験でした。社会人野球でも7イニングで1試合が終わることがあります。そうです、コールドゲームになることがあるんです。そうすると7イニングのゲームに慣れた私でも「早いなあ!」と思ってしまうほど、あっという間に試合が終ってしまいます。たった2イニング、されど2イニングです。この終盤の2イニングでいろいろなドラマが生まれてくることも多く、それがないのですから面白くなくなるという意見があっても当たり前のような気もしますね。
3回に1回打てるバッターは好打者
野球もソフトボールも、3割打てると好打者と言われると思います。3割バッターというのは3回に1回はヒットが打てるバッターと言うことです。ちょっと考えてみて下さい。9イニングだと9人のバッターが、誰も出塁しなくても最低3回打てるようになっています。ところがソフトボールのように7イニングだと4番から9番までは、例えばパーフェクトに抑えられていたとすれば2回しか打席が回ってこないことになりますよね。4番から9番までの6人は2回しか打チャンスがないということになります。打率で言うと5割打てないと1本ヒットが打てない確率になります。まあ4番、5番、6番の上位打者はその効能性はあるとしても、打力が劣るために7番以降の下位にされている打者は、ヒットが打てる確率がさらに低くなるとは思いませんか?
長いことソフトボールをやりましたので、1番から9番までの打順を経験してきましたが、やはり7番、8番、9番に名前が書かれた時は、自分の実力や調子もありますが、これでヒットを打つのは厳しいなと思ったこともありました。最低3回は打順が回ってくるという前提で、1回目の打席はどうやってみようとか、2回目はどうしよう、そして最後これで勝負だみたいなプランが立てられないです。すべての打席でヒットが打てればいいですけど、ピッチャーも必死でバッターを抑えようと投げてきます。その中で駆け引きみたいなものをしながら、なんとか3回に1回ヒットを打てるバッターが好打者と言われるのではないでしょうか。7イニング制はこういう意味からすると、2イニング短いんです(笑)
試合時間短縮には5イニング?
オリンピックに関係すること、野球のことは全くの門外漢なので、見守るしかないんですが、ソフトボールについては一言申し上げたいと思います。ベンチから出るな、バッタボックスを外すな、テンポラリーランナーやタイブレークの導入などなど、試合時間短縮のルールがたくさんあります。壮年、実年、シニアになると試合時間の設定があって、それ以上次のイニングには進まないというやり方も普通になりましたので、昔のように延々と試合をやっていることはなくなりました。
今一番試合時間が長いのは、男女とも日本リーグの試合ではないでしょうか?ホームランを打てば全選手がベンチの外に出て出迎えてパフォーマンスをする。(男子に多いですね)女子の日本リーグはお金を取ってお客さんに見てもらっていることもあるんでしょうが、セレモニーが長い。イニング間の選手交代にも時間がかかる。一つ一つのプレーに余計なアクションが入ることがあって、試合時間がどんどん長くなるというようなことが見受けられます。
日本ソフトボール協会がどうしていきたいのかは知りませんが、子どもたちは日本の最高水準である日本リーグの選手たちがやっていることが恰好良く見えますし、真似をしたい、真似をしようとします。あれは日本リーグだけに許されることなんでしょうか?あんなパフォーマンスがやりたければ、日本リーグでプレー出来る選手になりなさいと言うことですか?それはそれで子どもたちのモチベーションを上げる効果はあると思いますが、適用しているルールは同じですよね?日本リーグの試合時間、男女とも昔に比べると長くなっているはずです。どうすれば試合時間が短くなるんでしょう?野球が7イニングならば、ソフトボールは5イニングにしましょうかね(笑)