先日高知市で熊本県の大津高校サッカー部を長年にわたり指導され、全国屈指の強豪校に育て上げ、さらには多くのJリーガーを輩出した平岡和徳さんが講演されました。
サッカーとソフトボールという畑は違いますが、人を育てるということに違いはなく、講演の中ですごいな!そうだよね!と思ったことを、私なりに解釈してみました。
ひらおか・かずのりさん
平岡さんは熊本県宇城市出身で高校は東京の帝京高校に進まれ、主将として全国高校選手権で優勝。その後筑波大学に進学して、同級生の現FC東京監督の長谷川健太さんと一緒に活躍されました。
大学卒業後地元熊本県に戻られて教員となり、1993年に大津高校の監督に就任されると、その後24年間に大津高校をインターハイに18回出場させ、準優勝1回、ベスト4:2回、全国高校選手権には16回出場させてベスト8:1回という輝かしい成績を残されています。
2017年からは宇城市の教育長をされています。
情報の入り口は目と耳
指導される上で重要視されたのが、情報の入り口である目と耳を鍛えることだったそうです。
子どもたちが目や耳から入って来る情報を、自分のフィルターを通してアウトプットするということを習慣化出来るように、よく観るるように、そしてよく聞くように指導されたようです。
相手が何を考えているかを考えて自分の行動を考える。そして考え続けることを大津高校では
「考動力」
という言葉で表現したそうです。
これが出来ると行動が変わってきますよね。
24時間をデザインする
24時間という時間は有限であり、誰にでも平等に与えられているものです。しかしその使い方は無限であり、その使い方によって、オリジナリティやモティベーションに変わって行く。
言葉を変えると、その使い方によって人生が変わっていくということだと思います。
平岡さんは、夢を持ち24時間をどうデザインして、人生をどうプロデュースするかということを追及していくと、必ず
失敗・成功➡課題・問題➡心の強化➡新しいチャレンジ➡失敗・成功➡・・・
というサイクルが出てくる。その中から課題解決能力と問題解決能力をしっかりコントロールして、心の強化と夢の実現につなげていく。そしてまた新しいチャレンジに挑む。
大事なのはこのサイクルの中で出て来る、向上心や執着心、研究心、競争心といった子どもの精神状況を確認した上で、大人のエネルギーを入れていくこと。心の温度を上げてあげれば、子どもたちは形を変える。
だから指導者が本気のオーラで温度を上げながら、新しいチャレンジをサポートしていくのが大事。
「あそこに行けば未来が変わる。」
と子どもが感じるエネルギーを教員がつくらないといけない。選手の内側に火をつける、選手の本気スイッチをオンにする、彼らを変えることが仕事だ。とおっしゃっています。
私は教員でもなければ指導者でもありませんが、これまでの人生で中学生や高校生が短期間に大きく成長したことを見てきました。
この大きく成長する時期に、どのような指導者にめぐり逢い、どんな考え方や生き方を教えてもらえるかで、スポーツの成績だけではなくて、その後の人生が違って来るようなきがしますね。
PDCAサイクルの高校生バージョンと言ったところでしょうか。
技術に人間性が表れる
平岡さんの言葉を続けます。
心技体という言葉があるが、私は掛け算だと思っている。いくら技術があっても、体力があっても、人間性がゼロだったらパフォーマンスはゼロということ。心さえ磨いてあげれば、パフォーマンスの量は上る。
教え子の巻誠一郎も筑波大学の後輩の中山ゴンも、レスターの岡崎慎二も下手くそだった。しかし日本を代表するストライカーになった。それは人間力があったから。
最近は
「精神力は貯金と逆で、使えば使うほど増える。出し惜しみしない。」
「あきらめない。一度あきらめたら習慣になる。」
「うまくやるより全力でやろうよ。」
という言葉を使うようです。
強くて、深くて、温かい言葉を使って、子どもたちの温度を上げていくようです。
社会人として素晴らしいレギュラーになる
このようなことが習慣かされれば、たとえ学生時代にレギュラーになれなかったとしても、社会人として素晴らしいレギュラーになることが出来る。
還暦をもうすぐ迎えるわが身では、今更気がついても遅いという気もしますが、今後の残りの人生を前向きに生きて行けそうな気にさせてもらえる言葉の数々でした。
そしてこの習慣を若い頃に身に付けておけば、私のソフトボール人生ももっと違ったものになっていたのではとも思います。
今成長期真っただ中におられる中学生や高校生のみなさんと、その子どもたちを指導されている指導者のみなさん、どうか有限である24時間を有効に使って、夢を実現させてください。
そのチャンスは平等にあります。ただちゃんと求めて行動(考動)しないと、成功は保証されていないということです。
指導者って大変ですけど、こんな場面に巡り合える素晴らしい仕事ですね。
全国の指導者のみなさん、頑張ってください!