昨日は出張の帰りの飛行機までの時間を利用して、現在日本女子ソフトボールリーグ2部の「日本ウェルネススポーツ大学」の監督をされている中田まりさんにお目にかかってきました。
指導者の悩みは尽きない
この2年ほどは時々グランドにお邪魔してバッティングピッチャーをしたり、一緒にトレーニングをさせていたいたりしていますので、だいたいの状況は知ってはいるつもりでした。しかし選手としても指導者としても経験豊かな中田さんでも、その時代時代で、所属するチームによって、さらにはそれを取り巻く環境によって、そこで発生する問題は違ってくるようです。
そしてその問題を解決するためにすごくエネルギーが必要で、なかなか解決しない問題も多く、指導者としての悩みは尽きないようです。
女子は分からない
今回は中田さんのソフトボール人生の中でも経験がなかったような問題に遭遇したようで、会った瞬間から
「山崎さん、聞いて下さいよ。」
「どう思いますか?」
「どうしたらいいと思います?」
と矢継ぎ早の質問が続きました(笑)
そして聞いていた私の答えがこれです。
「女子は分からん!」(笑)
この2年は浦野先輩のNECにも時々お邪魔するようになりましたが、この女子のソフトボールの世界は、男子のソフトボールしか見てこなかった私には「違和感」のある不思議な世界にさえ見えることがあります。
知れば知るほど、男子しか、それも昔の男子しか知らない私が簡単に「こうじゃない。」とか「こうしたらどう。」とか言えない女子独特のソフトボールがあるような気がしてきました。
男女の差とは
運動能力には性による差はないと言われます。つまり男女差は運動能力には関係ないということですよね。言い方を変えると男子の方が女子より運動ができるということはないということです。
それを決めているのは体重1g当りの筋肉量だというようなことを聞いたことがあります。通常男性の方が女性より筋肉量が多いので、パワーがあるとかスピードが出るとかというようになるということですね。
ただきちんとトレーニングしている女性であれば、そんじょそこらの男性に負けない記録を残すことは難しいことではなくなるわけです。例えばオリンピックの100mの女子の優勝者に勝てる男子は、私の周りには1人もいません。男のほうが女より速いは通用しないんです。
さて、これをふまえて女子ソフトボールに話しを戻しましょう。日本だと男子のソフトボールに比べると女子のソフトボールはパワーがありませんし、スピードも出ません。しかし守備についてはそんに見劣りはしません。というかグラブさばきなんかを見ていると、逆に男子より柔らかくて上手な選手がたくさんいます。
これは私が現役のころからそうでした。今ほどバットとボールが飛ばない時代でしたので、女子の試合はスピード感がなくて、なかなか得点が入らない面白くない(あくまでも男性の私が見てです。)試合が多かったように思います。
現在は科学的なトレーニングの導入、栄養管理、そして練習環境も整った日本女子ソフトボールリーグの上位の選手たちは立派な体格をされています。その選手たちが飛ぶバットとイエローボールを使って、昔とは見違えるようなスピードとパワー豊かなソフトボールを展開されています。
それでも先日の決勝トーナメントのようにモニカ・アボット投手の前には、手も足も出ないというような結果になってしまいました。このレベルの指導者には、日本で勝つこと、さらには世界で勝つことの難しさという課題が付きまといます。
お目にかかった中田さんは、このレベルのソフトボールも知っておられるし、現在指導されている2部のレベルのソフトボールも知っていて、そこで起ってくるさまざまな問題に指導者として悩んでおられる。
つくづく思ったのは「指導者って大変だなあ。」でした。女性が女性を教えることの優位性であったり、逆に男性が女性を教えることの優位性みたいなものもあるんでしょうか。
以前アメブロで書いた記憶がありますが、有名な宇津木妙子さん(現日本ソフトボール協会副会長)の連続ノックですが、あれは女性だからできるノックです。これは打つ方も受ける方もって話しになります。
あれを男子でやったら、両方早々にぶっ倒れます(笑)女子はしんどそうにやっていてもなかなか倒れないんですよね。男性指導者だと、あそこまで追い込められないんじゃないかと思います。
あれはご自身が女性である宇津木妙子さんだから、まだまだ大丈夫、まだ倒れない(死なない)(笑)と言う感じが分かるんだと思います。
現在日本女子ソフトボールリーグには男性の監督と女性の監督がおられます。女性の監督には全く面識がありませんが、幸いなことに男性の監督やコーチの中に昔男子のソフトボールで一緒にプレーしたことのある方、面識のある方がおられますので、機会を作ってこの方たちからも「男性が女性を指導することの難しさ」みたいなお話しをお聞きしたいと思っています。
そんな現場で苦労されている方々の声を聞いて、また中田さんにお目にかかることができれば、少し中田さんの悩みを軽くさせられることができるかもしれません。ちょっと待ってくださいね。
今の私では「女子は分からん!」としか言いようがありません。