【ソフトボールルール解説】これはアピールプレイでしょうか?
アピールプレイは8つの場合にすることが出来ます。さて、次のような場合にはどうなるのでしょうか。
打順誤り
質問:3回表、4番バッター(A)がヒットを打ちました。続いて5番バッター(B)が打つべきところを、6番バッター(C)が打席に入った。審判員は打順の誤りに気がついていました。審判員はバッター(B)が打席に入るように指示するべきか、それともバッター(C)をアウトにするべきでしょうか?
答え:どちらでもありません。打者誤りは「アピールプレイ」であり、守備側チームからアピールがあった場合にのみ、審判員は判定を行うことができます。
スコアラーの役割り
この解説は審判員側からのQ&Aになっていますが、打者誤りに気が付くのは各チームのスコアラーじゃないでしょうか。そういう意味でもスコアの記入はとても大切ですね。
このケースは、ルールブックの1-2項の(3)打順誤りがあったときと、7-2項の2(攻撃側のプレイヤーは、打順表に記載された順序で打者にならなければならない。また、試合の途中で変更することはできない。)が関係してきます。
そしてルールブックには〈効果〉2項として次のように記載されています。
打順の誤りはアピールプレイである。守備側の監督・コーチ・あるいはプレイヤーによってのみ行うことができる。(ボールデッド中でもできる)※ということはスコアラーはできないということですね。
アピールの権利を失うとき
守備側チームは、すべての野手が守備位置からベンチへ向かってフェア地域を離れたとき、打順誤りに対するアピールの権利を失う。
(1)不正位打者が打席に入っている間にアピールされたときは、①正位打者が打席に入って、不正位打者のボールカウントを引き継ぐ②不正位打者の打撃中の走者の進塁・得点は、すべて有効である。
(2)不正位打者の打撃が完了し、次の打者に対して投球動作に入る前((正・不正にかかわらず)にアピールされたときは、①不正位打者の打撃によるか、その打者が失策・四球・死球などで出塁したことによる走者の進塁および得点は、すべて取り消される。ただし、違反発見前のアウトは取り消さない。②打順を抜かされた正位打者がアウトになる。③次の打者は、打順誤りのためにアウトを宣告された打者の次の打者である。ただし、次の打者が不正位打者でアウトになった打者のときは、さらに次の打順の者になる。④打順誤りのアピールで第3アウトが成立したとき、次の回の先頭打者は打順を抜かされてアウトになった打者の次の打順の者である。
(3)次の打者に対して投球動作に入ったのちは、打順誤りのアピールの権利を失い、アウトは宣告されない。①不正位打者の打撃は、すべて有効である。②すべての走者の進塁および得点は認められる。③次の打者は、不正位打者の次の打順の者である。④打順を抜かされた打者は、正しい打順が回ってくるまで打席に入ることができない。⑤不正位打者が走者になっているときに、正しい打順が回ってきても、その占有する塁にとどまる。(注)塁にとどまった走者は自分の打席を失い、このときの正位打者はこの走者の次の打順のものである。
以上になります。本当に言葉にするとますますややこしくなりますね。一度その場面を想定して打者、走者をつけてやってみると、分かりやすいかもしれません。