いつも読んでいただいてありがとうございます。
元々は50歳を過ぎたソフトボーラーが、動かなくなるからだや硬くなる筋肉と関節に苦しみながら、新しいことに挑戦してどうなっていくかをご紹介しようと始めた挑戦でした。
ところがいろんな年代の方が読んでいただいていることが分って、少し年代別に整理をしておく必要があると感じましたので、今回は私なりにどこを目指した方がいいのかをまとめてみました。
ソフトボールを始める
この若い年代の方達には、あまり形を押し付けず参考となる素晴らしいピッチャーのフォームを「真似る」ことから始めてもらえばいいと思います。
心も体も素直で柔らかい時期です。目で見たものをそのまま表現してもらえば、良いお手本を上手に自分のものにすることが出来ると思います。
今の小学生のピッチャーを見てみると、とても上手にジャンピングやツーステップをしている選手がたくさんいます。それを見ていると、とてもうらやましくなります。どうかそのまま進んで行ってください。
小学生の頃
小学生の頃は体が大きくて、力のある選手が活躍することが多いですね。ただこの時期に力にだけ頼ってしまうフォームを覚えてしまうと、大人になって困ることが起こる可能性があります。ですから、基本的にどうしても必要な体の使い方が間違っている場合は、アドバイスをしてもらいたいと思います。
共通する正しいからだの使い方があると思います。それだけをきちんと身に付けておけば、中学生、高校生、大学、一般と進んでも大丈夫です。
この動画で西村さんがしゃべっていることは、少し難しいと思うかもしれませんが、この腕の使い方が出来ていると大きくなってからだが出来て、筋力がついてくると大きな飛躍が待っていると思います。ぜひ参考にしてください。
中学生・高校生
この時代になると試合で投げてバッターを打ち取る、そして試合に勝つということが必要になります。そこで球速を上げたり、変化球を覚えたりということを目指すようになりますね。
走り込みやトレーニングもきつくなってきます。トレーニング効果が出て来るとからだが出来てきますので、ボールも速くなってきます。
ここで小学生の頃に身に付けた正しい身体の使い方が生きて来るんです。力だけに頼らない正しくてしなやかなからだや腕、手首の使い方によって、鋭いスピンのかかった変化球が投げられます。
もうこの頃から速いボールがなげられるだけでは、バッターを抑えることは難しくなります。
大学・一般
からだも出来て来て、本格的な勝負をすることになります。スピードもキレも要求されますが、精度を要求されることになります。
ストライクが取れるということではなくて、狙ったところに投げられるという技術が高いか低いかで打たれる確率が違ってきます。
さらに進化するとストライクゾーンからボールになる変化球が投げられるかどうかで、バッターを打ち取る確率が違ってきます。
精度(コントロール)を要求すると、全力投球ではなかなか精度は高まってきません。全力投球は球威そのものでバッターを抑えに行く時に使うもので、1試合中に何球も投げることはないボールだと考えています。
全力の70%~80%の力で投げる時が一番コントロールも良くて、キレのあるボールが投げられるものではないでしょうか。
そのためにこの時期にMAXパワーを上げておく必要があります。球速だけで考えるとMAXが100km/hなら80%では80km/hになりますね。そのMAXが110km/hになれば80%は88km/h、120km/hなら96km/h、130km/hなら104km/hとなります。
軽く投げても速くて、そしてコントロールが良くて、変化球にキレがある。これこそ試合の作れるエースと呼ぶにふさわしいピッチャーの姿だと私は思います。
そして自分がどのようなピッチャーなのかをしっかり見極めて、目指す方向がしっかりする時期ではないでしょうか。
全力投球というボールは1試合の中で、多くて20球くらいだと思います。ということは残りの80球の精度とキレを上げると、打たれる確率が低くなると考えらますよね。
西村さんもMAX120km/h代の球速を、130km/hにしようと考えたことはなかったと話していました。それよりも現役時代はボールのキレだったり、スピンの質を追及していたそうです。
壮年
この壮年というカテゴリーは、前半のまだ一般でもやれる可能性を残した体力・筋力に若さのある時期と、実年に近づいてきてどんどん衰えを感じ始める時期に分かれるのかもしれません。
若い頃と同じようなトレーニングと練習量が確保できる人は、そんなに衰えを感じないのかもしれません。
ただバッターがなかなか衰えていないのにもかかわらず、守備範囲が狭くなる、足が遅くなるなどの壮年特有の要素がピッチングに影響してくるようになります。
今まで当てられなかったボールに当てられるなります。これはだんだんバッターがフルスイングしなくなるからです。そして今の軽くて反発力のあるバットによって、ボールが飛んでいきます。そうするとピッチャーは力んできて、ボールが棒球になってさらに打たれるという悪循環になっている姿をよく目にしました。
この壮年から先は、単純に球威や球速を追求するよりも、コントロールや打たせて取るというような技術が、全国制覇をする大きな要素になるような気がします。
この壮年で連戦連勝を続けた鳴門クラブの関原投手は、実に上手に手を抜いて投げていました。そしてここぞという時には全力でバッターを抑えに行く、この時には若い頃そのままのボールをなげられていました。
関原投手のチームは、ピッチャーが関原投手一人しかいないようなチームでしたので、ほぼ全試合完投でしたし、試合前のフリーバッティングのバッティングピッチャーも彼がやっていましたので、どんな体力をしているのかと思ったことでしたし、その経験から上手に力を入れるところ、抜くところを身に付けたんだでしょう。
実年
さらに体は動かなくなります。理由もなくからだのあちこちに痛みが出てきます(笑)
この実年になると、さらに足腰に衰えが目立つようになります。勝てるチームはしっかり走って、練習量を確保しているチームです。壮年の前半のように「昔の名前で出ています」のような貯金では、もう勝負は出来ません。
ただ50歳そこそこと60歳手前では、壮年の10年間よりもっと動きが違ってきますので、壮年の力をそのまま保ったピッチャーが、力勝負をしに行っても通用することはあると思います。
フォームはどんどん大人しくなって行って、連投の出来る、そして疲れの残らない投げ方に自然となって行くものだと思います。
バッターは軽くて飛ぶバットを使ってボールを飛ばそうとします。ピッチャーのボールにスピードがあると、その反発力でボールが飛ぶという事実があります。
振らないバッター、スイングに力のないバッターに対して、球威とスピードで抑えに行くのか、それとも反発力を利用されない緩いボールで勝負に行くのか。
どちらもありなんですけど、前者の方が間違いが多いのも経験として知っています。いろいろなトライの仕方があるのが、この実年という時代かもしれませんね。
熊本の三友クラブの安武投手なんかは、この時代に大活躍した投手ですね。スピード、コントロール、配球、すべてに良く考えて投げられていたと思います。
シニア以降
まだ経験していませんので、聞いたり見たりしたことから、想像してお話しするしかありませんが、ここからはまた違った難しさが出てくるようです。
まずピッチャープレートからホームベースまでの距離が1m近くなります。これがピッチャー有利と思うと、意外にそうでもないようなんです。
実年でバリバリ投げていたのだから、シニアに行ったら打たれないかと思うと、シニアになるとますますバットを振らなくなるそうです。極端に言うとバットに当てるだけだそうです。ですから空振りはあまり取れません。
さらに距離が近くなるということは、変化球が曲がらなくなるということになります。今まで曲がっていたところがキャッチャーの位置になるわけですからね。
そして60歳から65歳のメンバーの守備はさらに落ちてきます。ここからはどれだけ走って、練習しているかで、動きが決まってきます。
昨年から「シニア」に参戦した弘瀬拓生先生も「すごくストレスが溜まる。」と笑って話していましたが、なかなか思うようにはいかないようです。
どの時代にも課題はある
ソフトボールは生涯スポーツだとは、良く言ったものです。年を取ってもまた次のカテゴリーがあって、若い者として活躍できる場所があります。
その時代、その時代で自分の目標を定めて、それに向かって努力する。これこそがモチベーションを維持する大きな力になると思います。
私ももう少しこの命題の答えを探し続けたいと思います。そのためにも徳島の関原投手や熊本の安武投手のお話しを、早めにお聞きしたいと思っています。