ウインドミル・ジャンピングへの挑戦【山崎浩誌】動画公開ーライズボール編
私のピッチング動画公開の2回目は「ライズボール編」になります。
動画を見た感想
その前にこの動画を見た私の感想をお伝えしようと思います。
「なんじゃこら?」
「思っていたのと全然違う。」(こんなものです、本人はやっているつもりでも、変えているつもりでも、こうやって第三者目線から見てみると、ほとんど変わっていないものです。それだけ長い年月をかけて身につけたものは、そう簡単にはなくならないものなんです。)
「これはジャンピングではなくて、スキップだ!」(笑)(こんなスキップのような跳び方なら、小学生の方がちゃんと跳んでるわとヤジってやりたいくらいです。)
実は本人としてはもっとしっかり跳んで投げているというイメージだったんですね。シャドーピッチングではもっと跳ぶことができているんですが、ボールを持つとどうしてもボールを投げることが優先されてしまいます。
さらにボールをコントロールすることを身体が勝手にやろうとするので、ちょっと跳んだだけ(スキップ)で投げようとしてしまっています。さらに投げ方自体も昔のフォームに戻ろう、戻ろうとしているのがよく分かりますね。
ジャンピングに挑戦した理由
55歳からジャンピングに挑戦するようになったきっかけをお話ししますね。一番の原因はこの動画を撮影している弘瀬拓生先生が、胸鎖関節の脱臼をして投げられなくなったということでした。
長い間の酷使がたたって弘瀬先生の胸鎖関節(胸骨と鎖骨をつなぐ関節です)が悲鳴をあげて壊れたわけでです。するとたちまちピッチャーが足らなくなってしまいますし、普通この胸鎖関節が壊れたらもう二度とピッチャーは出来なくなるものなんです。
もう弘瀬さんはピッチャーは出来ない。するとピッチャー出来る人間が必要になるので、仕方ないのでピッチャーの練習をしようかなという消極的なピッチャー復帰でした。
ピッチャーでなくなるということは、練習が楽なんです。まずあまり走らなくていいですし、練習でフリーバッティングのバッティングピッチャーをする必要がなくなります。このバッティングピッチャーというのが大変なんです。真夏の炎天下に10何人ものフリーバッティングに付き合うと、途中で左手がしびれてくるようなことになります。たぶん脱水症の一歩手前になっているんだと思います。
せっかくピッチャーをやめて、練習も楽になっていたというのに、この弘瀬さんの故障は私にとって迷惑な話しでした(笑)そしてさらに迷惑だったのが、もうピッチャーへの復帰はありえないと思っていた弘瀬拓生先生がピッチャーに復帰してきたことでした。それも大方の予想を超えたスピード復帰でした。
この時は、この人やっぱりすごい人やなと思いました。そしておかしな人やとも思いました。胸鎖関節というのは胸骨と鎖骨をつなぐ関節ですので、ウインドミルで腕を回すときには必ず動く関節です。ここが脱臼したということは、無理をするとまた脱臼する可能性があるということですし、手首、肘、足首などのようにギブスで固定できる場所でもないので、相当しっかり安静にしていないとずれたままになる可能性が高い関節なのです。
それがかなり早い復帰でしたし、案の定関節はずれたまま。普通ならもうピッチャーはやらないと思うはずです。しかしこの弘瀬拓生投手は違っていました。体の違和感を訴えながらでもピッチャーに復帰してきました。
そこで私が弘瀬拓生先生に言った言葉が、
「あんたがピッチャーするがやったら、俺はピッチャーせんでよかったがやき!」
でした(笑)
この頃弘瀬拓生先生は胸鎖関節の脱臼に加え、不整脈(心房細動)という病気を持ちながら投げていましたので、何かあったときには投げないといけないということで、結局はピッチャーを続けることになりました。ただ弘瀬さんが投げているということは、私の出番がくることはほとんどないわけですけど。
一度壮年の西日本大会の決勝戦のときに不整脈が出ているのに投げようとしていたので、
「命をかけてソフトボールせんでもええき、俺が投げる。」
と言って無理矢理交代したことがあります。
西日本大会は優勝、準優勝チームは翌年の推薦出場が決定するので、もうここで無理する必要がなかったということもありました。
そんな経緯でのピッチャー復帰でしたので、どうせピッチャーするのであれば、今までとは違った形でのピッチャーに挑戦するとかでなかったら面白くないと思ったんです。
なら嫌い(※)な西村信紀投手に一歩でも近づけるよう、ジャンピング投法に挑戦となりました。西村さんと二人で飲むときに「日本人にはジャンピングは合っていない。」と話しながら、私のようなものが少しでも西村さんに近づける、追い越せる可能性を見出すとしたら、彼のやっていないヒャンピングしかないと考えてもそれはおかしくないと思います。
(※)私からピッチャーというものを取り上げた西村信紀というピッチャーが嫌いなのであって、個人的には人間的にも、その素晴らしいセンスや素質に尊敬の念さえ抱いています。お間違いのないようにお願いしますね。
今まで通りなら手も足もでない。同じことをしようとしても出来ない。であるなら違うやり方を探すしかないですね。
動画中に
「70歳で西村投手を超える。」
と言っていると弘瀬先生がしゃべっていますが、その頃まで頑張っても超えられるかどうかという大きな壁が西村信紀というピッチャーです。頑張っているものの、この程度の変化しか出来ていないようでは、西村信紀の背中はまだまだ見えてきません。もっと思い切ったジャンプをするとか、思い切った変革をしないといけないですね。しかし、それをやろうとすると、身体には相当な負担があります。どうしたものでしょうか。
ライズボールを投げてみました
さて、2回目の動画を見てもらいましょう。「ライズボール」になります。元々得意なボールではありません。肘を伸ばして手のひらを外向けて投げることを最初に教わった私には、肘を少し曲げて手の平を上向けて入った方が投げやすいというこを知るのが遅すぎました。
今はなんとかそれらしく投げられてはいますが、いつまでたっても勝負球で使えるボールにはならないと思っています。低めばかり投げていてはバッターの目が慣れてくるので、バッターの視線を上に上げる意味で高めのボールぎみに投げることができたらなあと思っています。
先日沖縄で宮平投手にライズボールの投げ方を聞いてきて、やろうとしてみましたが無理でした(笑)おへそを2時方向に向けるは使えそうなんですが、あの握りで薬指を使ってライズボールを投げるなんて、私には出来ません。凡人には凡人のやり方しか出来ないのでしょうか?神様は意地悪ですね。
それではご覧ください。
どうだったでしょうか?やはり浮かそうと力むとボールがすっぽ抜けてしまって暴投になってしまいますね。悪い見本にして下さい。
ご購入者さまの感想
今日も最後にDVD購入者の方の感想をご紹介します。
ただ普段の投球を見てもわかりにくい基本的な部分をしっかり分解して説明があったり、いろいろな方向からのフォームの映像があったりでわかりやすいと感じました。あと失投の映像と失投理由の説明があるのも良い悪いの違いをみるのにいいと思いました。
できればもう少しを言わせて頂くとですが、弘瀬先生の解説プラスで高橋投手本人からの投球で意識しているとこなどが聞きたかったかなぁと思います。
今から始めようという人には少し難しい内容かなと思いますが、現状をもっと良くしたいと考えてる人にはすごくよい内容のDVDだと思います。
トップレベルの選手の試合以外のフリーで投げてくれてる映像はあまり観られないので助かります。<
貴重なご意見ありがとうございました。参考にさせていただきます。高橋速水投手の考え方は現在ソフトボールマガジンに彼が連載をされていますので、読んでみてください。弘瀬流と高橋流の違いが分かるかもしれませんよ。