宮平投手の話題はもう少し続くのですが、最近はすぐ忘れてしまうので思い出した時に書いておかないとと思って、急遽このタイトルにしてみました。
今では全国で行われている高校男子のソフトボールですが、競技する高校のない学校がない県がたくさんあったのは、そんなに大昔のことではありません。
インターハイ、国体の開催によって、徐々にソフトボールを実施する県が増えてきて、一応どこの都道府県でも実施している競技になっています。
これは高校に限ったことではなくて、中学校も以前は全日本大会はなくて西日本大会が実質的に日本一を決める大会だったこともあります。
これには先日沖縄の高校男子ソフトボールをご紹介した時に言いました、「冬でもグランドが使える。」ということが影響していたのかなと、自分の言葉で気が付きました。
早ければ11月後半からゴールデンウィークくらいまで雪の影響で外で練習出来ないことが分かっていれば、なかなかソフトボールという競技を選択するということは難しいことになりますよね。
それなら1年中競技が出来る室内競技を選択する。これが当たり前の行動だと思います。そういう意味でもソフトボールは西日本が盛んな地域になったんだと思います。その中でも高知県は野球の盛んな地域で、野球によく似たソフトボールをやる選手も多かったので、強かったという側面がありました。
その高知県のソフトボールをやっている生徒数が、半減していることも先日お伝えしました。これには県全体での「少子化」が大きく影響しています。そして多くの選手を輩出してきた山の中の小規模校が、単独ではチームを組めなくなってきたこともあります。
沖縄県も宮平先生に聞いてみたところ、どんどんソフトボールをやっている子どもの数が減っているそうです。
このところ高校男子のソフトボール界を席巻していた「長崎県」も、どうも同じような状況になってきているようです。長崎県は特殊な環境で、小学生はたくさんソフトボールをやっているんですが、中学生になるとほとんどが野球に転向してしまいます。
それが高校になって野球を続けるのを断念した生徒がソフトボールに戻ってくるというパターンが多いみたいなんです。野球したことがなかったのではなくて、小学生の時にソフトボールに触れている子どもたちですから、ソフトボールへの慣れも早く、それが最近の長崎県の大躍進に繋がっているのかなと勝手に想像したりしています。
県内に強い高校とか、憧れるような一般のチームがあれば、おのずとその競技を志す子どもの数も増えると思いますし、競技レベルも上がってきますよね。
その地方の新聞のスポーツ欄に大きく写真付きで紹介されることもあります。高知新聞などではプロ野球の結果の横に、その記事より大きく紹介されたことも一度や二度ではありません。
それを見ている子どもたちが、「頑張ったら、新聞に載るがや。」と思って、ソフトボールをやってくれるのも不思議なことではありません。
私の知る限り、そのように大きく取り上げてくれていた新聞は「高知新聞」と「山形新聞」でした。「闘犬センター」と「山形県庁(後の山形クラブ)」の活躍を、県内の方は良く目にしていたことになります。あれは選手にとっても励みになりました。沖縄県とか長崎県とかはどうなんでしょうか?
女子のソフトボールは「東京オリンピック」効果もあって、しばらく安泰といったところでしょうけれど、男子のソフトボール、それも中学、高校のソフトボールはどんどん衰退して行ってしまうんじゃないかなと危惧しながら見ています。
壮年のソフトボールになると、それまで野球をやられていた方がソフトボールに転向されるケースが多くあります。最近の壮年の全国大会を見てみると、明らかに野球上がりだなという身のこなしの選手が増えてきました。良く打ちますし、守りも上手です。
しかし、子どもたちがやらなくなっているということは、将来的には男子のソフトボールに未来はないと言っているようなものではないでしょうか。
私たちが若い頃、東京からきた方に「良い身体してますね。何かスポーツしてますか?」と聞かれ、「ソフトボールを。」と答えると、「男子にソフトボールがあるんですか。」と言われました。
このままどんどん競技人口が減ってしまうと、そううちまた同じように「男子にソフトボールがあるんですか。」「ソフトボールは女子のスポーツでしょ。」と言われる時代が来る可能性があります。それはとっても寂しいことですし、出来れば避けたいことですね。
時代の流れもあります。少子化はどんどん進んで行くでしょう。その中で男子のソフトボールがどうやって生き残って行くのか。魅力的なスポーツであり続けることが出来るのか。
日本ソフトボール協会を中心にして、ちょっと早めから対策を考えておいた方がいいと思います。
私たちが生きているうちは、まだまだソフトボールは存在するんでしょうけど、残りの人生を楽しむ年代が中心になるようではダメで、これから頑張ってという若者をどうやって引き込んで行くかってことが重要ですね。
難しい問題だと思います。