沖縄県の高校男子ソフトボールを見てきました。
昨日は私の誕生日に、たくさんの方々からお祝いのメッセージをいただきました。本当にありがとうございます。みなさんにお返事させていただいたと思っていますが、万が一抜けておりましたら申し訳ありません。また1年間私なりの目線で見たソフトボールを、私の言葉でお伝えしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
さて沖縄2日目になりました。この日は宮平先生が指導をされている読谷高校男子ソフトボール部と嘉手納高校男子ソフトボール部の練習試合の見学から始まりました。この日もまた試合開始時間に遅れての参加になりました。
嘉手納高校のグランドでやると聞いていたのですが、嘉手納高校に行くのは始めてでしたし、そもそも沖縄県の高校男子のソフトボールを見るのも始めてでした。2年前に宮平先生をお訪ねした時は読谷高校の女子ソフトボール部のコーチをされていましたので、女子は練習を1回だけ見たことがありました。
さらに最近は高校男子のソフトボールを見る事自体がほとんどありませんでしたので、先日佐川高校と須崎工業の試合を見たのが久し振りといった体たらくぶりでございます。前日夜の飲み会の中で、沖縄県の男子のソフトボールは与勝高校が全国優勝して以来、優勝がないという情報くらいしか持っていませんでした。
ちょっとナビの案内がおかしくて迷いながらなんとか嘉手納高校に行ってみると、試合は当然始まっていました。見たことがないので、どちらが読谷高校でどちらが嘉手納高校かも分からない始末です。とりあえずズカズカグランドに入って行って、バックネット裏に居場所を定めました。そこでやっと胸のマークを確認して、白い方が読谷高校で黒い方が嘉手納高校であることを確認。さらに読谷高校のベンチに宮平先生の姿を確認して、ちょっとホッとする私でした。
心細いんですよ。知らないところに一人で行くのって(笑)あのグランドの中に知り合いは宮平先生だけなんです。完全アウェーです。「誰か来たよ。」「あれは誰?見たことない。」というような生徒たちの視線も感じます。自意識過剰でしょうかね(笑)実は全く気にされてなかったりするもんです。
さてこの両チーム、先日の選抜予選の決勝で戦ったチームで、沖縄県のNO.1とNO.2の実力を持ったチームだそうです。両校は距離も近くて、常に切磋琢磨する関係のようでした。
どんなソフトボールをするのかな?と思って見てみました。第一印象は「おとなしいな。」でした。私の沖縄県のソフトボールのイメージは、ヒットを打ったり、得点を挙げたりした時はもちろんですが、チャンスになると指笛や奇声かと思うほどの声でうるさい(笑)だったんです。だから調子に乗らせるといけないチームでした。土佐弁でいうと「やかましい」チームなんです。ですからチャンスを与えず、ずっと静かにさせておかないとマズイのが沖縄県のチームでした。
ところがこの両チーム、とってもおとなしいんです。練習試合だからかな?とも思いましたが、チャンスになろうがピンチになろうがあまり変わりませんでしたので、これが今の沖縄県の高校男子のソフトボールなんだろうなあと思って見ていました。試合後宮平先生に聞いてみましたが、「昔の沖縄県とは違っていますね。」「指示待ちが多いです。」ということでした。これは沖縄県に限ったことではなく、全国的にそういう雰囲気になっているようです。
高知商業の野球部の治療をしていた頃(25年くらい前)から感じていたことですが、一生懸命とか必死でやるということがかっこいいと思わない風潮があるように思います。スマートにすっとやるというか、ちょっとすかしている感じが格好良いという感じでしょうか。泥にまみれて、何とかして勝ってやろうという姿をあまり見かけない時代です。力のあるチームだったらそれでいいんでしょうけれど、力のないチームが勝つには「必死」でやるしか、勝つ方法はないと思っているので、これも古い考え方になってしまっているようです。
私たちは「負けることが一番格好悪い。」と思っていました。だからなりふり構わずやっていました。それが全て良かったとは言いませんが、だからこそ高知の田舎のクラブチームが日本一になれたと思っています。
ですから物足りないんでしょうね。「勝ちたくないのかな?」って思ってしまいます。もったいないんですよね。何か普通に打っているだけのように写ります。せっかく足も速そうなのに、器用そうなのに、左バッターなのに、みんな同じタイプのバッターに見えてしまう。途中から見たので打順が分からないんですが、これは試合終了時まで分かりませんでした。
良くも悪くも粒ぞろい、全員6番か7番バッターのように見えました。これでは良いピッチャーと対戦して、なかなかヒットも打てないとなった時に得点をあげることが難しいのではないでしょうか。今高校生のトップは120kmを投げて来ると聞いています。指導法やトレーニングの進歩でしょうね。手も足も長い。自分たちの強みとは何か、これを生かしてどんなピッチャーと対戦しても得点をあげるパターンを持っていないと、点取りゲームであるソフトボールで勝ち上がることは難しいのではないかと思ってしまいました。
宮平先生がバッテリーピッチャーをしてくれるという環境があるわけですから、全国トップのピッチャーを想定しての練習を普段からやって欲しいですね。宮平先生のボールが打てるのなら、高校生のボールは打てます!
さてピッチャーの方はどうかなと見てみましたが、参考にできる材料が先日見た佐川高校と須崎工業のピッチャーだけなんですが、これはちょっと高知県の方が上かなという感じでした。佐川高校のエースは今年のインターハイで佐世保西のエースと0-1の試合をしたピッチャーということでしたので、それを経験してさらに自信をつけているのかなとも思います。
この年令の頃はちょとしたことで大きく成長する可能性を秘めています。宮平先生という良いお手本があるので、来春には大きな成長を遂げた姿で選抜に出場してくるかもしれません。期待しましょう!
練習試合は7イニングの後、5イニングをやって終わりにになりました。この日はとっても天気が良くて、高知から行った私だけでなくて、地元の宮平先生も「今日は暑いです。」という気候でした。11月の中旬ですよ。この恵まれた気候の中で1年中練習が出来ることはアドバンテージです。ただし、全国の強豪と練習試合をするためには飛行機に乗って行かなければならないという距離のハンディキャップもあります。
1回の遠征に100万円というお金が消えていきますからねと宮平先生がおっしゃっていました。良いことばかりではないですよね。
選抜出場を確定させているということでしたので、宮平先生にどのあたりを狙っているの?と聞いてみたら、「ベスト8くらいですかね。」ということでした。うなずける動きじゃないでしょうか。生徒たちもそれくらいの意気込みなんでしょうか。けれどこの子どもたち、ある期間だけすごく成長するってことがあります。その気になったら、自信を持ったら、見違えるような選手になったり、チームになったりもしますよね。
日本一を目指しましましょう。それには指導者の力も必要です。ご自身で選抜大会優勝も経験されていますし、大学、一般でも日本一を経験して全日本でも活躍したその経験と知識で、この子どもたちをどう導いていかれるのかを楽しみに見て行きたいと思いました。選抜大会は北九州での開催だそうです。都合がつくようなら、行って見てみようと思っています。
頑張れ!沖縄県。読谷高校男子ソフトボール部も。