平成28年度 GEM1(女子ソフトボールU14日本代表)中央選考会開催
11月17日(木)~20日(日)に、静岡県伊豆市・天城ドームを主会場として、平成28年度 GEM1(女子U14日本代表)中央選考会が実施されたようです。
平成28年度 GEM1(女子U14日本代表)中央選考会の様子
その模様が日本ソフトボール協会のホームページにアップされています。
その中のウォーミングアップの様子を見ていて思ったことが、「みんなデカい!」でした。気になったので、選考基準を見て納得しました。
選考基準
その基準がこちらです。
◎投手
【体格的要素】身長160cm以上
【球速】90km/h以上
【変化球】変化球ライズ・ドロップ・チェンジアップを有すること
【ティー台を使用しての打撃】飛距離50m以上(ゴム3号球/ニューボールを使用)
※4項目中2項目は選考基準をクリアしていること
◎捕手
【体格的要素】身長160cm以上
【盗塁に対する二塁への送球】捕球から二塁到達の速度/2秒以内
【肩の強さ】遠投50m以上
【ティー台を使用しての打撃】飛距離50m以上(ゴム3号球/ニューボールを使用)
※4項目中2項目はこの基準値をクリアしていること
◎野手
【体格的要素】身長160cm以上
【肩の強さ】遠投50m以上
【ティー台を使用しての打撃】飛距離50m以上(ゴム3号球/ニューボールを使用)
※4項目目として、数値化できなかった打球への反応の素早さ、守備範囲の広さを加え、投手・捕手同様4項目中2項目はこの基準値をクリアしていることを条件とする
中学校1、2年生を対象にしているのにもかかわらず、どのポジションも
【体格的要素】身長160cm以上
となっているのですから、それは大きいはずですね。
女の子の方が男の子より、少し早熟でこの頃までは男女差がない、若しくは女の子の方が大きいってこともあります。そして中学生後半から高校生になって男の子が急に大きくなり、身長が女の子をどんどん追い越して行くんです。
そして女の子はこの時期に女性特有の体形の変化が始まっていく時期にもなりますので、小学生の時に男子顔負けのプレーをしていたのが、少し変わってくる時期でもないでしょうか。
ましてこの時期にこの立派な体格をしているということは、その大きな体を支える筋力が見に付いていなくて、動きに影響することもあると思います。
素晴らしい素材がいっぱい
そんなことを思いながら、ウォーミングアップや体力測定を見ていました。
しかし、実技に入るとはやりここまで選考を突破してきている選手たちです。素晴らしい身のこなしを見せてくれます。
どのバッターもしっかりバットが振れますし、ピッチャーも選考基準が球速90kmオーバーですので、速いボールを平然と投げ込んでいました。
驚くのはシートノックの場面ですね。態勢が悪いときの送球に力強さが見られない選手が見かけられますが、グラブさばきは立派なものです。この子たちが守ってくれたら、安心して試合ができるだろうなと思わせてくれる守備力でした。
こんな子どもたちがこれから経験をつんで、日本の女子ソフトボールを支えてくれると思ったら、心強いですね。
そして嬉しい報告もありました。なんとこの選考会に高知から参加していた女の子が、来年1月の台湾遠征のメンバーに選出されたというのです。
もちろん高知から1名、四国からも唯一の選出だそうです。高知県の女子ソフトボール界にとっては快挙と言って間違いない出来事になりました。
別に高知の女性の能力が劣っているわけではないんです。逆に高知は女性の強い県です(笑)
女性がソフトボールをする環境が、高知には少なかっただけのことです。競技人口も慢性的に少ないという事情もあります。
男子のソフトボールばかりが目立ってきた高知のソフトボール界に、奇跡のような話題が出てきました。是非が頑張ってきて欲しいと思います。
そして最後にもうひとつだけ。
山椒は小粒でもぴりりと辛い
ピッチャーは同じボールを投げられるのであれば大きい方が有利だと思います。(あくまでも個人的な見解ですが。)そして世界と戦うのであれば、トヨタ自動車のモニカ・アボット投手を見ても分かりますが、その身長は日本の男子以上の身長をしていますので、日本としても世界に通用する大きなピッチャーを養成したいですね。それは理解できます。
ただ野手は単純に身長で区切る必要があったのでしょうか。そこは少し疑問に思いました。大きくなったとはいえ、日本人は外国人に比べると身長は低いですね。それが世界と戦うのに、身長の低さのために厳しい戦いになるというのは、バレーボールやバスケットボール、ハンドボールなどの競技で実証されています。
しかしこれまで日本のソフトボールは、大きさやパワーで世界に挑んできたわけではないと思いますし、それではどうしようもない体格の差を男子も感じ続けてきました。日本人は「速さ」「敏捷性」「上手さ」「巧みさ」などで、大きな外国人と互角以上の戦いをしてきたのではないでしょうか。
日本ソフトボール協会の選考委員の方が、こんなことを理解されていないことはないでしょうから、何か意味があっての今回の全ポジション【体格的要素】身長160cm以上なんだと思います。
私が言いたいのは、この【体格的要素】身長160cm以上に足らなかった選手のみなさん、諦めずにしっかり、そしていっぱい練習して身長だけではなくて、その高い技術で「全日本」を「東京オリンピック」を目指して欲しいということです。
小さくても誰にも負けない何かを身に付けることができたら、まだまだ道は開けます。
大きい人も、小さい人も頑張ってください!