【2017】第63回全日本教員ソフトボール選手権の結果
第63回全日本教員ソフトボール選手権が、平成29年7月29日(土)から7月31日(月)までの3日間、新潟県三条市で開催されました。
全日本教員ソフトボール選手権とは
日本ソフトボール協会のホームページによると、 教員とは、(公財)日本ソフトボール協会・チーム登録規定で「同一都道府県内に勤務する男子教員によって編成されたチーム」(学校教育法第1条に規定する学校の教員とする。ただし、実習助手は認める)と定められています。
昨年(2016年)まで、革ボール使用の「競技種別」として行われていましたが、本年度(2017年)より、ゴムボール使用の「生涯種別」に組み入れられました。
大会の創設は1955年と歴史は古く、第1回大会~第9回大会まで「全日本総合大会」として開催されて、その大会の中で「一般女子の部」「教職員の部」として行われていました。
1964年の第10回大会から「全日本教員選手権大会」に改称され、第10回大会、翌年の第11回まで「教員の部」と併設して「大学女子の部」が開催されていましたが、1966年の第12回大会から教員大会として一本化されました。
かつては「不世出の大投手」三宅豊(現・日本ソフトボール協会副会長、選手強化本部長)を擁する群馬教員(群馬)が、このカテゴリーであったこともあり、全日本総合男子選手権大会でも優勝を飾る等、日本トップクラスの競技力を誇っていた時期もありました。
しかし、近年では、教員採用試験の難易度が高まり、容易に選手を集めることができない状況となり、時代の変遷とともに、二度の3連覇を含む優勝10回の群馬教員(群馬)がクラブチーム登録に種別変更する事態にもなりました。
他にも、チーム存続が難しくなるチームや種別変更を余儀なくされるチーム等が続出して、競技人口、チーム登録数を確保することすら難しい状況が生じています。
そんな中、不滅の「8連覇」を含む最多19回の優勝を誇る金沢教員(石川)や、9回の優勝を成し遂げ、金沢教員(石川)の「良きライバル」として立ちはだかったレッドスパローズ(千葉)が懸命に大会を盛り上げてくれましたが、強豪チームと他のチームのレベル差は開く一方となり、大差のコールドゲームが続出したこと等もあり、「競技種別」としての歴史と伝統にひとまず幕を閉じ、「生涯種別」の大会として「新たなスタート」を切ることとなったようです。
第63回全日本教員ソフトボール選手権の結果は?
名古屋教員ソフトボールクラブと滋賀教員アナナスの対戦になった決勝戦は、名古屋教員ソフトボールクラブが10対3で勝って、何と55年振り3回目の優勝を果たしています。55年振りってすごいですね。大会が長く続いていることの証明でもあります。
第3位は京都府の紫クラブさんと、兵庫県の伊丹サーベアーズになりました。もう〇〇教員というチームも少なくなっているのも、時代の移り変わりを示していますね。
勝ち上がり表は次のようになります。
なお試合内容など詳しいことは、日本ソフトボール協会のホームページでご確認下さい。
https://www.softball.or.jp/life/teacher/tournament2017/tournament.html
教員は強かった!
昔、群馬教員に限らず教員チームは強かったんです。
それは国体開催に向けて、各県が競技力向上を図るために優秀な大学生を集めたからです。
群馬教員の他にも滋賀のビッグレイクスなど、教員チームでありながら全国の強豪チームと対等以上に戦っていたチームもありました。
さらに全日本チームに教員が何名も選出されていた時代もあります。
教員というカテゴリーでは戦っていませんでしたが、北投手の他日本体育大学出身の選手で固めた「山梨クラブ」とか、大村投手(日本体育大学出身)を中心に強いチーム作りをされた「山形県庁」なども、国体のために他県からやってきた選手が教員になっていましたね。
このように国体開催に向けて各県が競技力向上を図るため、体育大学等の有力選手を教員として採用するやり方が続いたこともこの傾向を強めた一因ではないでしょうか。そして体育大学などに優秀なソフトボールの選手がいたということでもあります。
輸入選手(こう呼ばれていたこともありました。)がそのまま残って、現役として教員チームで頑張り、現役引退後は指導者として各県のソフトボールの普及、強化に頑張っているのであれば、これはこれで一定の意義と効果があったものではないでしょうか。
しかし採用の透明化(?)なのか、公平な試験での成績を重視しての採用では、なかなか優秀なソフトボーラーは集めることが出来ないということが、この教員というカテゴリーを「競技種別」から「生涯種別」への変更を促進したようです。
ソフトボールばかりやっていたのでは、なかなか教員にはなれなくなってしまったようです(笑)
ただ勉強もソフトボールもそうですけど、出来る人には出来ない人の気持ちは分からないと思うんですけどね。頭の良い人ばかり集めても・・・って思ってしまいます。
強い教員チームを見て来た者としては少々寂しい気もしますが、時代の流れとして受け入れるしかないのでしょうね。