【ソフトボールの練習】壮年(40歳)のピッチャーの練習量とは
壮年(40歳)を超えるとソフトボールは「生涯スポーツ」に入っていきます。やることは同じなのですが、体力は落ちていきますし、練習量も少なくなっていきます。その中でどうやって上手になったり、レベルを維持していけばいいのでしょうか?
壮年は負け知らず
今から15年ほど前、壮年のクラスの全国大会を勝ち続けていたチームが、徳島の「鳴門クラブ」さんです。ここには絶対的エースの関原投手がいました。
一般の頃から素晴らしいボールを投げるピッチャーでしたが、ソフトボールに限らずゲームは1人でするものではなくて、チームでするものですから、彼の力だけではなかなか全国で勝つということは出来ませんでした。記憶が正しければクラブ大会の優勝が1回あっただけじゃないかと思います。
ただ、同じ四国に「闘犬センター」がいたのも、彼にとっては不運でもありました。四国予選で必ず闘犬センターとやって、勝たないと全国大会に行けないということがありましたからね。
その「鳴門クラブ」が壮年大会に参加するようになると、この関原投手を擁して出る大会、出る大会をほとんど制覇してしまうようになりました。
壮年が出場出来る全国大会は2つです。全日本壮年とマスターズ大会です。この2つの大会は、毎年だいたい同じ9月に開催され、開催週も連続していることもあります。
仕事もしている社会人で、40歳を超えるとそれなりのポジションにもなっているので、なかなか続けて大会に出ることは難しいと思うのですが、この鳴門クラブさんは2週続けて参加して、2つとも優勝したなんて離れ業を達成もされていました。
「仕事しているのかな?」なんてことを言ったこともありますが、しかし「頑張ってるな!」とも思って見ていました。
週何日練習しているの?
たまたま全国大会だったか西日本大会だったか、試合をする機会があったときに田尾監督さんに
「週何日練習してるんですか?」
と聞いたことがあります。
すると帰ってきた答えが
「うちは週3日やっている。」
でした。
「全員が集まることはないけれど、ボールに触ることが大事やからね。」
ともおっしゃっていたことを、はっきり覚えています。
そうか、鳴門の強さは週3日の練習が支えているんだとも思いました。当時から私たちは日曜日だけ、週1日の練習しかしていません。日曜日が雨にでもなれば練習は休みになりますし、用事が入ればそちらが優先されます。ひどい時には1月に1回もボールやバットに触らないこともありました。
落ちていく体力と感覚
40歳を超えると出来ないことがどんどん増えてきます。それをトレーニングや練習でどれだけ遅くするかじゃないかとも思います。週3日と週1日、この差は月にすると8回くらいの差になります。これは大きいですね。
樹種練習もままなりませんし、これでは週1日練習のチームが週3日練習のチームに勝つことは難しくなります。実際壮年になってから鳴門クラブとは何度か全国大会や西日本大会で対戦していますが、善戦はするものの1回も勝ったことがありません。
大人になりましたので試合後は笑って田尾監督や関原投手、そのほかの昔から知っている方たちと話しはしていますが、悔しくて仕方ありません(笑)
向こうも向こうで、あいつには絶対負けない、打たせないと必死でやってきますので、勝たせてはくれません。壮年では彼らが絶対的な王者でしたから。
けれどこんな感覚の試合は、とても楽しくて仕方ありませんでした。
しかし、勝てない!身体が思うように動かない!
この感覚はどんどん進行します。40歳後半になるともっとです(笑)50歳を超えるとあきらめの気持ちさえ出てきます。
ピッチャーは投げないとダメ
いくら年をとったと言っても、週に1回投げたくらいではピッチャーのフォームが固まったり、調整できたりはしませんよね。しかし練習日は日曜日しかありません。
ではどうしたいいのでしょうか?
受けてくれるキャッチャーがいれば、空いた時間にピッチングをするという方法もありますね。キャッチャーがいない場合は、空き地や高架下の壁に向かって投げるという方法で、球数を確保するという方もいるでしょう。
私の場合はどちらも無理なので、今は週2回程度夜ランニングをして、その途中にある空き地でシャドーピッチングをしてフォーム固めを試みています。
ただボールを持たないシャドーピッチングと、実際ボールを持つピッチングの差が大きくてなかなか上手く行っていません。
西村さんに言わせると
「野球と違ってソフトボールの場合、シャドーピッチングは有効な練習法ではない。」
だそうです。
そうだなあ、シャドーピッチングをしてもなかなかフォームは固まってこないなあとは思いながら、今のところこのやり方しか投げる感覚を日曜日以外に確認する方法がないので、しばらく続けてみようと思っています。
なぜ走るのか
どれだけ筋トレをしても、どれだけ走っても、それだけでソフトボールが上手になったり、ボールが速くなったりすることはありません。
最後はその筋トレやランニングで作ったものをピッチングに活用するということが出来ないと、そのトレーニングの意味がなくなってしまいます。
ここに一人の天才がいます。もと高知学芸高校のピッチャーで、インターハイ、国体を制覇して日本一の高校生ピッチャーだった有吉投手です。
彼はほとんど走りません。トレーニングもしません(笑)けれどボールを投げるのは大好きです。今は実年になってしまいましたが、投げて体も肩も作るということを続けていますので、日曜日の練習以外に投げる場所があればそこに出かけて投げています。
その一つが高知パシフィックウェーブで、現役の日本リーガー相手にフリーバッティングで投げて、バッターを抑える感覚を養っているようです。革ボールを投げることで、指にかかる感覚も良く分かるので調整には良いようなことも言っていました。
その有吉投手の投球フォームがこちらになります。
走らなくても天才は天才なんです。ちゃんとリリースの瞬間、私がなかなか出来ない手の使い方がしっかり出来ているのが分ります。これが出来ているので、バッターが抑えられるんだなあと再確認したところです。
ただ走らないので、「持久力がありません。」「下半身のねばりが足りません。」(笑)
高校時代のフォームがこちらになります。今のフォームと比べて、どこが違っているでしょうか?
50歳を超えて、さすがにあちこちに負担がきています。「肩が痛い」「膝に水が溜まった」「腰が痛い」こう言いながら投げています。
それでも走ろうとはしません。
「走ったら壊れます!」
「そんな作り方はしたことがありません。」
「投げて体を作ります。」
これでやってこられたのですから、うらやましいほどの天才なんです。
無理は禁物です
若い頃は故障したり痛みが出た原因が分ります。
「あ、痛めた!」
っていう瞬間がはっきりしています。
しかし年を取ると痛めた瞬間や理由もなく、朝起きたら突然痛みがあったり、動かなくなっていたりということがあります。
どこかで無理をしていたのかもしれませんし、これまでの無理が突然顔を出すこともあるでしょう。
ですからトレーニングも練習も
「コツコツ」
「続ける」
「やり過ぎない」
が肝心になります。
年を重ねることに治りにくくなります(笑)痛めないようにやることが重要です。楽しくソフトボールを続けて下さいね。